一般社団法人日本記念日協会について
日本には「国民の祝日」や個人の「結婚記念日」など、あらゆる「記念日」がありますが、中には企業や団体などがPR効果を目的に「〇〇記念日」を作り出すこともあるそうです。そうした新たな記念日を認定・登録しているのが、長野県佐久市にある『一般社団法人日本記念日協会』です。
1991年4月1日に発足した同協会は、20代のとき放送作家をしていた加瀬清志さんが、「記念日の情報が少なかったり、誤って伝えられていた」状況を変えたいと一念発起して誕生させました。
これまでに2,600件を超える記念日を認定登録しており、どうすれば記念日を活用して市町村や地域が元気になるか?企業の知名度や商品・サービスの売り上げを伸ばせるか?社会に役立つか?などを意識して、PRを行っています。

経営者の紹介
加瀬さんは放送作家時代、『TBSラジオ』などで昼の帯番組から深夜放送まで週に10本以上の番組を担当していた売れっ子だったそうです。
加瀬さん「あの頃は本当に忙しくて、番組で使うネタ探しが大変でした。そんなとき、『記念日』を活用することを思いついたんです」
例えば6月10日は、日本で初めて水時計を利用して時刻を知らせたことから「時の記念日」とされています。加瀬さんはそれを番組の企画と絡めることにしたそうです。

加瀬さん「記念日をフックにして、『人気の腕時計を探る』とか。時間から連想して『東京と大阪の人の、歩く速さの違いを検証する』とか。この企画のときには、渋谷のスクランブル交差点の端から端まで何秒で渡りきるのか?という調査もやりました。このように『時の記念日』に時間という括りで企画を考えたら面白いなと」
ネタ探し、ネタ作りのために膨大な資料を読み、専門家に尋るなどして調べ、多くの記念日を知識として吸収していったそうです。
加瀬さん「テレビやラジオの業界は狭いので、全国のアナウンサーやディレクターから、記念日について詳しい放送作家がいると問い合わせが入るようになったんです。ただし、本とかで調べると情報が誤っていたり、需要があるのにデータベース化もされていなかったので『それならば自分でやろう!』と協会を立ち上げ、データベースを作り始めました」
「博物館や国会図書館などでひとつひとつ調べ、データベースにする作業をしてきました」と語る加瀬さん。相当根気のいる作業だったと容易に想像ができますが、「これがあればみんなに役立つし、自分も便利になる」という気持ちがあったといいます。
加瀬さん「私個人で活動を行うよりも、協会という形の方が問い合わせもしやすいだろうなと思い、『日本記念日協会』を設立したという次第です。東京から現在の長野県佐久市に引っ越してきた当初は、新幹線もなかったので高速バスで東京に通ったりしていましたが、今ではネット環境があるので全国どこにいてもできる仕事ですね」
記念日のデータベース作りから始まった協会は、現在、協会のホームページから誰でも、日付やキーワードで記念日を検索することができます。それだけではなく、新たな記念日の認定・登録、記念日文化功労賞の贈呈、記念日のPR業務、記念日の本の出版など、さまざまな分野にまで広がっています。

後継者を募集する理由と後継者への想い
放送作家時代からこれまで、記念日とともに歩んできた代表理事の加瀬さん。
今回は、ご自身のポジションである代表理事の後継者候補を募集しています。
加瀬さん「私も70歳になりますので、一番は年齢面の理由から後継者候補を探そうと決めました。もう一つは、新しい感性や感覚で、記念日の持つ魅力を伝えていきたいと思ったからです」
「もちろん、今行っている記念日を登録するという活動は記念日文化を育てて行く意味でとても大事な仕事だと思っています。今後はそれだけでなくさらに視野を広げていく必要があると考えているんです」と、加瀬さんは続けます。
加瀬さん「これまで記念日を登録してくれた企業や団体へのアプローチをもちろん、まだ記念日協会のことを知らない方にもアピールする必要があると思っています。例えば、そういった企業・団体とコラボして記念日に関する企画を立てるとか。また、記念日協会の魅力を伝える商品を製作するとかも楽しそうでしょ。そこで、記念日協会の仕事や記念日が好きな方、パソコンができて、コミュニケーション能力があり、新しい記念日文化を具体的に形にできる人と一緒に働きたい。そして、ゆくゆくは後を継いでもらえればと希望しています」
「記念日は歴史を記憶する装置」と話す加瀬さん。記念日を登録した企業との思い出はたくさんあります。

加瀬さん「記念日を登録してくれた様々な企業の方によく言われることは、『社員のモチベーション』が上がったということです。記念日って、1年に1回、必ず来ますよね。例えば、新商品を発売した記念日とかを登録すると、商品を出したその日を思い出す、というわけです。そう言っていただけると、やはり嬉しいですよね」
また、「うちのお陰だけではない」と前置きしながら、別のエピソードも教えてくれました。
加瀬さん「ある記念日を作った会社から、『離職率が下がった』と言われたんですよ。毎年来る記念日がきっかけで、社員が『来年の記念日のために頑張ろう』『新しい商品を考えよう』と思えるのかもしれませんね。企業のPRと聞くと、営利目的に感じられる人も少なくないですけど、それだけじゃない大切な部分もたくさんあるんです」
その他、こんな社会貢献に繋がることもあったそうです。
加瀬さん「世間が知らないような『難病』の名前を記念日協会に登録することで、体の調子が優れないお子さんを持つ親御さんが、その病気の名前を調べて、症状から『うちの子はこの病気かもしれない』と思ったんですね。そして、病院に行き医師に調べてもらうと『その病気の可能性もある』と再検査をして病名がわかり、治療ができるようになったのだそうです。その話を聞いたときは、この仕事をやっていてホントに良かったと思いましたね」
引き継ぎの条件と要件
先述の通り、後継者候補にはまず、加瀬さんの下で職員として、記念日に関する様々な業務に携わってもらいます。具体的には、記念日及び周年記念登録制度全般の事務作業(登録証授与式や記念日の聖地選定式への参加なども)、記念日を活用・PRするための企画・実践といった仕事内容が想定されています。
加瀬さん「正直、私の代表理事というポジションに就くまでの期間は、働いていただいた方の能力や適性などにもよるかと思いますが、大体5年くらいで引き継ぎができれば理想です。しかし、私はせっかちなので、仕事ができる方でしたら2年くらいで後を任せられるといいんですけどね(笑)」
勤務時間は月曜日から木曜日の9時から17時が基本となりますが、記念日の授与式などを週末に行う企業もあるそうで、その際は休日出勤扱いとなります。

加瀬さん「私はこの記念日協会への愛着がとてもあり、なんとか続けたいとの思いが強いです。今、登録している方々との信頼関係もありますから。記念日は、その日を『きっかけ』にして誰かに思いを伝えたり、誰かを応援するために存在しています。そうした『記念日文化を成長させること』が、協会の大事な目的でもあります。今の記念日協会のスタイルを残しつつ、さらに発展させてくれるような方に出会いたいですね。リモート勤務も可能ですので、全国どこからでも応募してください。お待ちしています」
「記念日」を生業にするという特殊な仕事ではありますが、その分、一般的な仕事ではできないアイデアも実現することが可能な環境と言えるでしょう。記念日文化を、世の中にさらに広めてみませんか?
長野県佐久市ってこんなところ
ことしで30周年を迎える大型連休恒例の熱気球大会「佐久バルーンフェスティバル」
移住地として人気が高い長野県。佐久市は、標高約700mの佐久平駅を中心に市街地が発達したエリアです。
冬はマイナス10℃にもなるほど寒い地域ではありますが、積雪量が多い長野県の中で、佐久は雪が少ないことでも知られています。そのため、移住者のハードルもそれほど高くないかもしれません。
人口は約10万人。空気が澄み、山々に囲まれた自然豊かなエリアにもかかわらず、首都圏から70分ほどとアクセスが良好なため、移住地としての人気も非常に高いです。移住支援の補助金なども充実しています。
事業者情報
商号・屋号 | 一般社団法人日本記念日協会 |
本店所在地 | 長野県佐久市 |
設立年月 | 1991年4月1日 |
譲渡内容 | 代表理事の将来的な後継者候補採用 |
譲渡理由 | 年齢と体調面 |
譲渡後の関わり | あり |
メリット | 「記念日」というユニークなジャンルで新しいマーケットを開拓できる |
課題点 | 若い感性を生かした企画が不足 |
求める買い手像 | ・記念日協会の仕事や記念日が好きな方 ・コミュニケーション能力の高い方 ・記念日と協会の魅力を発信できる方 |
許認可内容 | なし |
従業員数 | 4名 |
選考フロー | ヒアリングシートの回答→カジュアル面談→現地面談 |
承継を検討される方へのサポートプランもございます
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