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【首長インタビュー】様々な文化が交わる文化で、チャレンジする人を後押しするまちへ。

宮崎県の南西部に位置し、鹿児島県・熊本県に隣接するえびの市。四季折々の表情を楽しめる豊かな自然に恵まれ、県内最多の泉源数を誇る京町温泉郷などでも知られる街です。

2022年からrelayと連携し、「relay the local えびの市」を開始。事業者の状況調査、説明会の開催など積極的な対策を進め、見事移住をともなった第三者承継の成約事例も生まれました。

今回は、えびの市のまちの課題や対策・支援、そして今後の展望について村岡市長にお話を伺いました。

話し手:えびの市長 村岡隆明様
聞き手:relay編集部

九州各地へのアクセス良好!自然豊かで暮らしやすい街

霧島連山

──(聞き手)relay編集部(以下、略):今日はよろしくお願いします。早速ですが、えびの市の魅力を教えてください。

村岡市長:まずは何といっても雄大な自然です。天然記念物や絶滅危惧種の動植物が数多く生息・生育する『えびの高原』や、韓国岳(からくにだけ)や高千穂峰などが連なる『霧島連山』など、豊かな自然がたくさんあります。

風光明媚なだけでなく、自然の恩恵を受けて豊富な温泉があることも魅力です。旅館ごとに泉源が異なるので、それぞれ違った泉質を楽しめます。宮崎県随一の温泉街『京町温泉郷』は、県内外の観光客はもちろん、地元の方々も訪れる人気の温泉地です。

また、熊本県と鹿児島県との県境に位置し、交通アクセスの良さはもちろん、各地の文化や経済が混ざり合うという点でも魅力だと思います。移住者も増加傾向にあり、外からやってきた方を受け入れる土壌もあると感じています。

毎年約10万人の買い物客で賑わう京町二日市

──教育という点でも注目されていますね。

唯一の県立高校である飯野高校では、探求型の学びを推進する特色あるカリキュラムで注目されています。また、『地域みらい留学』と呼ばれる全国枠で生徒を募集する取り組みも実施され、全国から優秀な生徒が集まり、ここでしかできない経験や学びを通してそれぞれが夢の実現に向かっています。

また、小中学校全クラスにおいて『30人学級』を実施し、少人数指導による一人ひとりを大切にした教育に取り組んでいます。

──えびの市に住むにあたって、どういった支援制度がありますか。

えびの市への移住者が住宅を取得する場合に経費の一部を住宅取得支援金として交付する『移住者住宅取得支援金』や、家賃が比較的リーズナブルに設定された定住の促進や地域の活性化を目的とした『定住促進住宅』などがあります。

また、早くから過疎化の問題に直面していたことから、以前から子育て支援に特に力を入れてきました。『第3子以降保育料無料化』や『小中学生の給食費無償化』などを実現し、子どもを育てやすい環境づくりに努めています。

自治体だけでは難しかった事業承継の取り組みをrelayが全面サポート

えびの市 村岡隆明市長

──えびの市における事業承継問題について教えてください。

えびの市の基幹産業は農業なので、当初は農業の後継者がいないということが一番の課題でした。現在では農業に限らず、さまざまな業種の事業者さんが後継者不足に悩んでいます。そんな中でも若い人が後を継いで、前よりも活性化したという事例もありますので、マッチングがうまくできるようになれば事業承継問題も解決につなげられると考えています。

──これまで市では事業承継問題に対し、どういった対策を行ってきたのでしょうか。

小規模の事業者が活用できる制度を作るなど、事業が継続できるような取り組みや起業支援センターを通した情報の提供などはしていましたが、後継を探す人と事業を買いたい人とをつなぐところまでは手が回っていませんでした。また、事業者側も自分が事業をできなくなったら廃業するのが当たり前という認識だったと思います。

──では、そんな中でrelayと連携して事業承継問題に取り組もうと思われたのはなぜでしょうか。

行政ではなかなか難しい『事業者同士をマッチングさせる』というところまで全面的にサポートしてくれるrelayさんのサービスは魅力的でした。自分たちだけでは難しい第三者に事業を承継するという選択肢を提供してくれるという点でも新たな可能性を探れるのではないかと思い、連携することを決めました。

新しい風を積極的に取り込み、若い人が活躍できる街にしたい

──実際にrelayとの連携をスタートさせてみていかがですか。

さっそく第三者承継が成功した事例が生まれ、とても頼もしく感じています。また、後継問題に悩む事業者さんの相談に乗り、きめ細やかにサポートしていただいているので、まだまだ可能性は広がっていくのではないでしょうか。

承継セレモニー(左から ライトライト代表取締役・齋藤、和田さん、松井さん、えびの市・村岡市長)

──今後も残していきたい文化や産業について教えてください。

特定の産業や文化というよりも、いろんなものが混ざり合って新しいものを作り上げていくというスタイルが残ってほしいと思っています。古くから交通の要衝であることから、閉鎖的にならずに新しい人やものを積極的に受け入れる土地であってほしいですね。

先ほど話した飯野高校の生徒さんや若い人と話をすると、みなさんえびの市の未来について真剣に考えていますし、かつ我々のような大人世代の常識だけでは通用しないことが増えていると痛感します。今後は頑張る若い人たちを大人たちがサポートしていけたらと思っています。

さらなる人口減少時代を見据え、チャレンジしやすい環境が整った豊かな未来を作る

──後継者問題に悩む経営者へ向けてメッセージをお願いします。

自分の周りに後継者がいないからと諦めて事業を畳む前に、第三者への承継を一度考えてみていただきたいですね。えびの市は交通の要衝であり、人の行き交いが多い街です。したがって、『えびの市でチャレンジしてみたい!』と思う方は少なからずいらっしゃるはずですから、そういった方々へチャンスを与えるという意味でもぜひ検討してもらえたらと思います。

──続いて、事業を譲り受けたい候補者へ向けてメッセージをお願いします。

えびの市はいろんな文化が混ざり合う土地です。さまざまなニーズがあり、多様な人が住んでいて、たくさんの可能性があるので、えびの市でチャレンジしてもらいたいですね。引継ぎ後もしっかりとサポートしますので、ぜひ一度ご相談ください。

──最後に、市長が描くえびの市の未来をお聞かせください。

これからの時代、人口減少を止めるのは難しいでしょう。しかし、だからといって街が寂れてしまうのを手をこまねいて見ているわけにはいきません。事業承継などを通して新しい人たちを積極的に受け入れて、生業を立てたり、他の商工業者とつながったり、さらには街おこしの活動などにも取り組んでいただければ、きっと今以上に街がにぎわう未来が作れると確信しています。

そして、私たちもチャレンジをしやすい環境づくりに努めたいと思っています。子育てや暮らしなどの支援策をより一層充実させていきたいですね。

──今日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。

(relay編集部)

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