自治体・商工団体voice

【首長インタビュー】五ヶ瀬の美しい自然を残しながら、人が繋がるまちづくりを

宮崎県五ヶ瀬町は、茶畑や紅葉、雪景色などに象徴されるように、四季折々で鮮やかに装いを変えゆく風景と、雄大な自然が魅力の町です。九州のど真ん中という好位置にあることで、九州各県からのアクセスも抜群の地域です。

2023年度よりrelayと連携し「relay the local 五ヶ瀬町」を共同運営している五ヶ瀬町。「安定した雇用の創出と若者が働きたいと思える就業環境整備」を目指すべき方向性として定める五ヶ瀬町の小迫町長に、まちの魅力や課題点、事業承継サービスを導入するに至ったその思いや期待についてお話をお聞きしました。

話し手:五ヶ瀬町長 小迫(こさこ)幸弘様
聞き手:relay編集部

自然豊かな五ヶ瀬町

紅葉なども綺麗で多くの観光客が訪れる五ヶ瀬町


──(聞き手)relay編集部(以下、略):まず五ヶ瀬町の魅力を教えていただけますか?

五ヶ瀬町は九州の真ん中にあるからこその自然が魅力です。四季がはっきりしていて、厳しい冬を乗り越えた凛とした空気が流れています。新緑と星が美しい街です。農林業が町の約7割を占めていて、お茶やお米、畜産、しいたけが主力となっています。本町の森林面積は総面積の9割近くを占めているので林業も盛んです。

事業のやめ方の選択肢に”事業承継”を

五ヶ瀬町 小迫幸弘町長


──まちから見た、事業承継に対する課題感はどんなところに感じていますか?

去年、商工業で廃業した件数が10件近くありました。ここにきてぐっと廃業する方が増えてきています。店舗兼住宅の場合が多いので、どうしても身内以外の人に事業を承継することのハードルが高くなってしまうんですよね。空き家もたくさんあるのですが、いわゆる「なんとなく空き家」が多い現状です。

持ち主の方が、なんとなくそのままにしていて、シャッターが閉まったままの場所が増えてきているので、まちとしても何とかしたいと考えているところです。廃業される方の中には、大々的に人に知られたくないという人も多く、これまでは事業承継の選択肢を提示できずにいました。


──具体的にはどのような事業が廃業しているのですか?

衣料品店がなくなり、新聞を売る代理店もなくなってしまいました。観光業というよりも、生活に必要だった事業がどんどんなくなってしまっています。毎月、町内の会議で、誰か事業を続けてくれる人はいないかと探していますが、もう町の中だけで後継者を探すのは正直限界を感じています。

そこで、relayさんの事業承継サービスを使おうと思い立ちました。商工会が、町の事業者さんたちにアンケート調査をしたところ、皆さん「承継」という言葉すら知らない様子だったんです。事業の辞め方の選択肢の中に、第三者承継というものもあるんだよと知ってもらいたいです。

仕事を次につなぐことで、持続可能なまちを


ユネスコ無形文化遺産に登録されている「五ヶ瀬の荒踊」

──町長にとっての理想の未来や、五ヶ瀬町に残していきたいものはどんなところでしょうか?

今ある自然の美しさを残しながら、人が繋がるまちづくりをしていきたいと考えています。観光業の町というよりは、町内で消費が完結するような、生活に密接した地域です。でも、最近では二軒あったお豆腐屋さんがどちらも廃業してしまいました。五ヶ瀬町の文化が詰まった、地元から愛されるお豆腐屋さんだったのですが、高齢が理由で廃業してしまったんです。地域で頑張って続けて作り上げてきた歴史や文化までもが消えてしまうのは非常に寂しい。

各事業ごとに、どんな課題感があるのか、その共通項を調査で洗い出して、持続可能なまちとしてどんなところと連携していけば良いかを考えていきたいと思っています。

事業の想いをつなぐ


五ヶ瀬ワイナリー

──事業承継を考えている地元の方へ伝えたいことはありますか?

これまで続けてきた想いや気持ちをぜひ語ってほしいと思っています。この前100周年を迎えた旅館があって、記念のお祝いをしていたんです。100年の中で、いろいろな苦難があったと聞くけれど、時代と共に長い間続いてきたこの旅館と歴史には本当に価値がある。

事業を畳む決断をされている方も、色々な事情があってその選択をしていると思うけれど、それぞれが作り上げてきた素晴らしい文化や歴史はぜひ残していきたいです。だからこそ、商店や事業所の皆さんには自分の気持ちを語ってもらいたい。町として、その力になりたいと思っています。

──事業を引き継ぎたいと思っている方にはどんな想いがありますか?

事業を承継する時には、ぜひ「想い」まで引き継いでいただきたいと思いますね。変わりゆく時代に、ぜひ新しいチャレンジをしてほしいです。

事業承継という選択肢に、自治体ができること

──事業を承継するにあたって、まちとして支援できることはありますか?

五ヶ瀬町は小さい町なので、一つ一つの事業を皆さん大切にされています。廃業してしまう事業所も、町の人に親しまれて、惜しまれてなくなっていきます。町内で消費が完結されるので、いつ、どんなお客さんがどれくらい来てくれるのかが分かりやすく、収益性も考えやすいので安心してビジネスができると思います。

新規事業の開発や、移住のための引っ越し費用、家賃費用の補助金、結婚支援金などもあります。町で出来ることがあれば、お力になりたいと考えているので、ぜひ一緒に五ヶ瀬町を盛り上げていただきたいです。

──五ヶ瀬町の魅力や課題、事業承継に対する熱い思いが伝わってきました。relayの事業承継サービスを通じて地元事業者さんに新しい選択肢を提供できること、ひいてはそれがまちの活性化に繋がっていくことを心から願っています。

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