事業承継ストーリー

【市長・代表対談】農業王国宮崎で、農業特化型の事業承継によりさらに強い宮崎市を実現!

全国屈指の農業王国、宮崎県。温暖な気候と日照時間、年間降水量など、恵まれた自然条件のなかバラエティーに富んだ農業が展開されており、日本の食料供給基地として重要な役割を担っています。

特に宮崎市の農業は、古くから野菜や果樹、花きの施設園芸を基幹とし、早期水稲と畜産を組み合わせた農業経営を軸に発展してきました。一方で、宮崎市で農業を営む個人経営者は2015年からの5年間で約20%減少(※1)。農業従事者の75歳以上の割合は全体の23%を占めており、農業従事者の減少と高齢化が進んでいます。全国的な農業従事者の減少と高齢化に伴い、宮崎の農業も担い手確保が急務となっています。 (※1)宮崎市農政部のデータより

宮崎市田野町で後継者を募集する倉岡農園の倉岡ご夫妻

そこで宮崎市と事業承継マッチングプラットフォーム「relay」(以下relay)は、令和4年10月、宮崎市の農業分野の後継者問題をサポートするため、農業分野に特化した「relay the local 宮崎市」を立ち上げました。宮崎県農業振興公社、宮崎県中部農業改良普及センター、JA宮崎中央などの関係機関と協力し、宮崎市の宝を後世にバトンタッチしていきます。

農業に特化したオープンな事業承継支援を行う業務連携は全国初。本取り組みに対する思いや宮崎市の展望などについて、清山知憲市長と、当社代表取締役齋藤隆太の対談が実現しました。

待ったなし。農家の高齢化と後継者不足問題

宮崎市長 清山知憲氏

株式会社ライトライト 代表 齋藤隆太(以下、ライトライト 齋藤):私自身、生まれ育った宮崎市と連携できたことをとても嬉しく思っています。清山市長が就任されて、公民連携など宮崎市として前に向かって進んでいくぞという雰囲気や勢いも感じていました。当社は宮崎にあって、フルリモート体制で全国でやってるとはいえ、やっぱり足元で自分たちが住んでる場所から良くしていかないと説得力がないなと思っていたので、ご一緒できることが素直に嬉しかったです。

清山知憲市長(以下、清山):宮崎市は地元の会社を応援していきます!私が市長に就任して以来、民間のみなさんが得意な分野は力をかりていこうことで、公民連携推進を掲げてきました。本市はずっと施設園芸中心に非常に農業の盛んな町ですが、 やはり全国共通の事業承継、新規就農者の確保、非常に課題を抱えてまして、 それを解決するためにどんな施策が新しく打てるのかなと。そんなときに、農政企画課の職員からrelayのサービスで農業の承継につなげることができるんじゃないかという提案をもらいました。

株式会社ライトライト代表取締役 齋藤隆太

齋藤:そうだったんですね。そのご提案をお聞きになって、どう思われましたか?

清山:農業って一見、関わってない方にとっては心理的なハードルが高いんですよね。気軽に話を聞きに行けなかったり、あまりインターネットにも情報が載ってない。このため、インターネット上に事業承継を求める農家の皆さんの情報が載るのは実に画期的だと思いました。

齋藤:農業分野に特化して連携しようとなったのは、当時は宮崎市だけでした。まちの規模が大きくなればなるほど、農業も問題意識としてはあるんだけど管轄が違うので別、という地域もあってですね。だからこそ宮崎で農業分野の成功があると我々としても横展開できて、全国にこの宮崎モデルを持っていきやすいと感じます。

清山:そういう意味では農業分野もまだまだ可能性が広がっていますね。都市部でもどこか地方で食や農に関わりたいっていう若者がいると思うんですよね。そういう方々にインターネットで情報が届き移住して就農につながると、地方にとっては本当にありがたいなと思いますね。

行政と民間の強みを活かし、農家さんをサポート

relayで後継者を募集する事業者様と支援する宮崎市職員の方々

清山:私は事業承継の知識に詳しいわけではないですが、お互いお見合いさせてもそんな簡単にマッチングするもんじゃないと。売り手にしても、どういう承継の形が合ってるのか、今持っているものをしっかり可視化をして、じゃあそのためにはまずどういう手続き、段取りが必要なのか、どういうところでつまづきやすいのかとか。そこはやはり民間企業のrelayさんにしっかり力を借りていきたいと思ってます。

齋藤:がんばります!私たちも行政の力をお借りできることでスムーズに進むことがたくさんあります。特に宮崎市は規模が大きいのに職員さんと農家さんの距離が近く、親身に相談を受けられているので驚きました。

清山:そうですね、我々は生産者の皆さんと直接つながっていますし、直接相談を受ける窓口的な機能もありますね。生産者の皆さんにとっては、いきなりインターネットで事業承継をしてますっていう会社に対して、多少抵抗を感じるかもしれない。 一方で、市役所は信頼感は非常に高い組織ですから、我々の強みと民間の強みをうまく活かすことができればと思います。

relayをきっかけに第三者承継が成約した(左から)岡島夫妻と田代夫妻

齋藤:おっしゃるとおりだと思います。我々のようなライトライトという横文字の会社がいきなりきて、 現場の農家さんと全くご縁もない中で、いきなりこのオープンネームで事業承継始めましょうって言ってもですね、ついてこない。まずはいつも現場で農家さんと接していらっしゃる自治体や関係団体の皆様に我々のビジョンを語って、そこに共感していただいた皆様を我々はご支援する。そのサイクルで皆様に寄り添っていくことがとても大事かなと思ってて。

職員の方々が地域にあったタイミングや言い回しですごく上手に翻訳してくださるので、農家さんの背中を押せるというか、少しですけど社会を変えるようなところにいけてるというか。そこは本当にいいタッグを組めている感じがして、両者で強みをいかせてる感じがしてすごくいいなと感じています。

清山:年々年を取られて、だんだん仕事がきつくなってきている事業主の方々。どうすればいいかわからないし、事業承継に出そうと思っても何を準備すればいいかわからない、そうした方々への支援ですよね。どういう風に寄り添っていけばいいのか。マンパワーも必要なところですし、逆にもっとそこを効率よくやれる方法があるのかどうなのか、一緒に考えていきたいですね。

事業者さんが長年かけて積み上げてきたものは、大きな価値がある

齋藤:譲り手さんに関しては、自分の事業に価値がないと思わないでいただきたいです。今の財務状況が良くないとか、ニーズを感じられないタイミングもあるかもしれないですけど、長年かけて積み上げてきたものは、第三者から見た時にものすごい価値があると。その時間を積み重ねてるっていうだけで、他人には再現できない価値なので、後世につなげていくってことが当然な社会にしていきたいという思いはすごく強いです。だから僕らはそこのコミュニケーションも諦めたくないなって思いますね。

清山:そうですね。畑やハウスは次の世代の方々に活用していただいてこそ活かせる価値が出ると思っていますので、ぜひ少し頭を柔らかくしていただいて、今後10年、30年先を考えた時に新しい次世代の方に継いでもらうっていう選択肢もぜひ持っていただきたいなと思います。 

relayで後継者を募集する事業者様と談笑する宮崎市職員の方々

清山:行政は経営が厳しかったり景況が悪いとき、事業所の皆さんに今の形でなんとか存続していただくことを支えようとしがちなんですけども、今後中長期的に考えた時に、そこを新しい事業スタイルに切り替えていきませんかとか、あるいは次世代で今の事業のコンセプトなり価値を継続させていきませんかとか、 そういう発想が大事になってくるんじゃないかなと思いますね。もちろん、一時的な景気の波やコロナウイルス蔓延や災害とか、そういう時はしっかり緊急事態を支えることが必要だと思いますが。

齋藤:本当にそう思います。relayに掲載している譲り手さんって、自分たちの看板や味をすべて残してほしいという人が割と少なくて、それよりもここにあった賑わいをそのまま維持してくださいっていうリクエストが多いんですよ。つまり事業は変えてもいいよとおっしゃってくださるんですよね。今回宮崎市で成約したいちご農園さんもそうでした。

それってすごく我々にとっても新しい発見だったんですよ。我々がこれからやるべきは、事業は時代に合わせて生まれ変わって当然で、それがまちのためになって、エンドユーザーのためにもなることだっていう風に、頭の中を支援者側から変えていくことだと思っています。

まずは支援者側から意識を変えていく

全国の自治体職員が宮崎に。宮崎市の取り組みを説明

清山:なるほど。我々も発想を変えていくタイミングですね。農業に限らないんですけれども、あらゆる分野で新しい価値を作っていくとか、新しい分野を切り開いていくのは、 意欲のあるエネルギーに溢れた若い人たちが中心だと思いますし、その人たちが参入しやすい環境を整えていかなければ、やっぱりどんな分野でも未来はないと思ってるので。

農業で言うと、宮崎市も水路を含めた農業基盤はしっかり投資をしてきているので、その農業資産を生かして、 ぜひエネルギー溢れる若い方々にどんどん担い手になってほしいなと思います。宮崎の場合は気候に加えてそうやって築き上げてきた基盤がありますから、そこに若い人たちがいろんなハードルを超えて参入してきてくれれば未来は明るいと思います。

全国の自治体職員が宮崎市の成功事例を視察

齋藤:そうですね。継ぎたい方に関しては、ぜひ全国から宮崎にご注目いただきたいです。最近の宮崎市さんからオープンシティの取り組みや宣伝もありましたが、宮崎は今すごくチャンスがあふれるまちに近づいてると思います。事業承継は 0から起業するよりかはすごく大きなメリットもありますし。ぜひ積極的に検討いただいて、 1つ目のチャレンジとしてぜひ選択いただきたいと思います。

清山:医師でもある私も5年前にクリニックを開業したんですが、自分の実家の建物の一部を利用してスモールスタートで始めたんですね。そこから少しずつ患者さんを診て、集めて、職員を増やして、徐々にフロアも拡張していきました。今の時代、なかなか大きい額をどんと借りて新しいビジネスにチャレンジするというのもリスクがありますし、不安を感じるでしょうから、今ある資産を活かして事業承継から自分の仕事を始めるメリットというのをぜひ検討してほしいなと思います。

齋藤:我々宮崎の会社がどんどん外にチャレンジするのもそうですし、あと外から宮崎でビジネスチャンスをつかむでもいいですし、 事業承継でもそれ以外でも来ることを歓迎したい、そういう交流を活発化したいですね。relayでそのきっかけを作っていきたいです。

今日はとても楽しかったです。ありがとうございました。私たちもしっかり結果を出して、宮崎の農業を盛り上げていけるように頑張っていきたいと思います。

清山:はい。よろしくお願いします!

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