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【首長インタビュー】事業はまちの宝。おもてなし文化で人と未来をつなぐ

山形県のほぼ中央に位置し、霊峰・月山の麓にある西川町。近年では日本初の「デジタル住民票NFT」や「公園命名権NFTオークション」を次々に成功させなど、先進的な取り組みでも注⽬を集めています。relayでは、西川町と連携して事業承継のための取り組みを行っています。今回は、菅野大志西川町長に西川町の事業承継に関する課題やrelayとの取り組みへの期待などについてお話をうかがいました。

話し手:西川町長 菅野大志様
聞き手:relay編集部

おもてなしの心で活気あふれるまち

──(聞き手)relay編集部(以下、略):西川町の魅力を教えてください。

菅野町長:西川町は、古くは江戸時代から出羽三山信仰に栄えた精神文化があり、参拝客をもてなして来ました。その文化的な背景に加えて、最近では、百名山である月山を生かしたアクティビティや、夏のカヌー、冬のトレッキングなどの観光にも力を入れています。観光、農業、建設業など、自然豊かでおもてなしの心が残るまちです。

”事業所はまちの宝”。関係人口を増やして事業の継続を図る

西川町 菅野大志町長

──事業承継に対する課題はありますか?

やはり高齢化の町で「後継ぎがいない」ことと「後継を求めない」問題があります。自分たちの代で終わろうと考えてしまう事業所が多く、惜しまれて廃業してしまう事業所も少なくありません。

ですが、事業所はまちの宝です。私はその宝を絶やしてはいけないと思っています。無理に事業承継するのではなく、「西川町でならやりたいことができるんじゃないか?」と思う方に来てもらい、事業が続くことを望んでいます。ですから、まずはまちを好きになってもらうことに力を入れ、観光や除雪などを通して関係人口を増やすことを意識しています。

──relayを使った理由や期待することを教えてください。

「事業承継」と「移住」という町の課題を一気に解決できるので、大変ありがたいと思っています。ただ、その分難易度としては、かなり高いものだと感じています。ですが、ちょっと時間はかかっても、実際に住んでみて、人との繋がりの中で、「実はこういう店をやりたかったんだ!」と思ってもらうことができれば繋ぎがいがあります。

ですので、まずは興味のある方を「呼び込む」ことが大切だと思っています。西川町にお越しいただき、暮らしていく上で「あの店いいね」と思ってもらえることが一番の理想です。WEBに情報を出すことで、多くの方に見ていただき、少しでも興味がある方に思いが届いて欲しいです。

──町長にとっての理想の未来はありますか?

町民がやりたいことをやれるようなまちに、活気あるまちにしていきたいです。やりたいことをみんなで寄ってたかって応援するまちにしていきたいので、そのつなぎ役が必要だと考えています。やりたいことを言いやすくする環境作りにも力を入れていきます。

江戸時代から出羽三山信仰と深く関わりを持ち、宿坊も多くあったことから、昔からおもてなし文化が根付いている地域です。人と人をつなぐ仕組みは町民には合っていると思います。町民と直接触れ合うような場作りをして、普段食べているものが美味しいと思ってくれたりすると、価値が伝わって関係人口にも繋がると考えています。

スピーディーで本質的な問題解決

──事業所を大切にしている印象ですが、特に自治体として意識していることはありますか

先回りして対策をするということが大事だと思っています。特に『連携したい企業に選ばれるまちに』という意識を持っています。企業側が連携したい自治体を選ぶ際に重視することは、実は難しいことではありません。

回答が早いこととオンラインでつながれることが特に求められていることと考え、スピード感を持って対応しています。近隣の市町村と戦わなくちゃいけない部分が多い中で、この2点は町の強みと考えています。だから、繋いだ先に存在する町民のやりたいことを実現するには、内容の解像度を高くしなければいけないと思っています。

そのため、庁内ではチャットシステムを導入し、様々なチームでのやり取りをダイレクトに情報共有しています。例えば商工業者には必要のなかったことも、障がい施設の方にとっては必要であるなど、その声を漏らさずにスピーディーに事業へ反映させることができます。

「つなぐ課」で細かなサポートを実現

つなぐ課のみなさん

──町長として支援、後押しできることは何でしょうか

つなぐ課という課で、町民の人、町内の事業者の人に踏み込んでバトンを受け渡せるような仕組みを作っています。町民の人が「実は俺、こういうことを今考えてて、誰に相談していいかわかんねえから」という町民の方からのご相談をお受けする係で、ご相談内容を関係者へと繋ぐ橋渡し役をしています。

事業承継希望の方がいれば、興味のある事業所等へ案内し、実際に人と人を繋ぎます。人と関わることで、観光や単なる移住とは違う関係性を生み出し、西川町を好きになってもらっています。

実際に、興味があって来て頂いた方に、その事業所や関係する事業所などを案内し、フランクに話ができるように懇親会を開いたりしました。グループチャット機能を使って気軽に質問できる環境を作って不安要素を取り除くことも行いました。

成約には至りませんでしたが、興味を持っていただいたことが有難いので、繰り返していくことでファンを増やしていきたいと思っています。もちろん、私も一緒に同席しておもてなしします。

寄ってたかってやりたいことを応援するまち

──讓り手さんに対するメッセージをおねがいします。

西川町の皆さんが辞めて事業がなくなるというのは、まちの損失です。皆さんがご提供いただいているもの・サービスというのは、 西川町にとって必要不可欠な価値のあるものです。これをぜひ町の宝として、後世に残していきたい。町も全力でサポートしますので、ぜひこの仕組みを活用してほしいです。

── 継ぎ手さんに対するメッセージをおねがいします。

西川町は一体感を持って、職員も町民も一丸となって皆さんのお越しをお待ちしています。繋がりを生みだして、皆さんの事業が成功するようになるまで、寄ってたかって応援します!皆さんが移住し、商売が儲かるところがゴールです。事業承継の先のことまで考えているので、1ミリでも興味があれば、安心してお問合せください。

──お話を聞かせていただき、ありがとうございました。relayでも、人と人、事業を未来につないでいけるよう尽力します。これからもよろしくお願いいたします!

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