成約案件インタビュー

【成約事例インタビュー】「農業で宮崎県の振興がしたい」新規就農者の挑戦を後押しした、中古ハウス承継までの道のり

 2022年10月、宮崎県宮崎市にあるいちご農家の小玉猛さんがが施設園芸の後継者募集を開始しました。同施設を承継することになったのは、宮崎県庁を退職し、就農に向けて準備を進めていた大田原尊之さん。

農業による地域振興に取り組まれているお二人に、譲渡・承継を考えたきっかけや、承継に至るまでのお話を伺いました。

譲渡者:「いちご農家」小玉 猛 様
承継者: 大田原 尊之 様
聞き手:relay編集部

宮崎市の農林建設課からの紹介で掲載。数ヶ月で譲渡へ

ーー小玉さんが後継者を探そうと思ったきっかけを教えてください。

(譲渡者)「いちご農家」小玉 猛 様(以下、敬称略):

もともと家族でいちご農園を営んできましたが、両親が高齢となり、妻と二人だけで経営していくために、いちご農園の一部を誰かに譲りたいと思って後継者を募集することにしました。

ーー親族承継という選択肢はなかったのでしょうか?

小玉:土地は他人のもので、ハウスだけが自分のものだったので、親族に譲ることはあまり考えていなかったです。もし承継者が見つからなかったら、そのまま自分が解体して撤去しようと思っていました。

ーー今回はrelayの中でもスピーディーに譲渡が決まりました。relayを使ってみていかがでしたか?

小玉:正直なところ、承継者は簡単には見つからないと思っていて、1、2年ぐらい募集をかけてみて来なかったら止めようかなって思っていました。そしたら意外にも応募がたくさんあり、かつ早く承継者が見つかったのは本当にうれしかったです。

ーー小玉さんはどうやってrelayを知ったのでしょうか?

小玉:最初からrelayを知っていたわけではなくて、宮崎市に連絡して、宮崎市の農林建設課に周知してもらおうかなと考えていました。そしたら、そこの担当の方に「ライトライトという会社がrelayという事業承継のマッチングプラットフォームをやっているから」と紹介いただき、載せてもらうことにしました。

ーー初めて大田原さんとお会いしたときの印象はいかがでしたか?

小玉:自分が想像していたよりも若い方が応募してくれたのでびっくりしました。ネットの力はすごいなと思いましたね。

現地訪問で実物を見て、「ここを引き継ぎたい」と思った

ーー大田原さんが、relayで小玉さんの記事を見つけたきっかけを教えてください。

(承継者)大田原 尊之 様(以下、敬称略):たまたまTwitterを見ていたら、小玉さんの記事が流れてきました。

僕の前職は県職員だったんですが、2年目研修で、relayを運営されている株式会社ライトライトの代表・齋藤さんのお話を聞きました。行政っぽいことを民間企業がやっているのが珍しいと感じたのと、取り組みが面白いなと思ったので、齋藤さんのTwitterをフォローしていたんです。ある日、職場からの帰り道に電車の中でスマホを見ていたら、宮崎市の農業継承の募集を見かけました。

これまでは農業に関しては取り扱っていなかったイメージだったのですが、僕自身もちょうど農家になるためにハウスや土地などを探していたところだったので、「こんなのあるんだ」とすぐ記事を読んだことを覚えています。

そしたら、自分が望んでいたようなハウスが載っていて、電車に乗っているうちに問い合わせをしました。

ーーありがとうございます。大田原さんはもともと農業のご経験はあったんですか?

大田原:農業自体はこれまで経験がなく、小学校の頃に授業の一環で取り組んだミニトマト栽培を最後に、何も触ってこなかったような状態でした。

ただ、ずっと農業で地域の振興をしたいと考えていたので、3年前からチョコレートの原材料であるカカオの栽培研究を始めました。それも農作業と言えるほどではないので、1年間の農業研修を受けながら独立を目指します。

ーー実際に現地の面談で小玉さんと話してみての感想はいかがでしたか?

大田原:「人が良さそうな方で安心した」というのがまず第一でした。最初に訪問したとき、まずハウスに入らせてもらったんですが、想像していた2、3倍の広いハウスだったんです。

実物のハウスを見た瞬間、「ここを引き継ぎたい」と思い、そこから小玉さんにも「何とか自分に任せて欲しい」とお願いしていました。そこからrelayさんにも小玉さんにも、とてもスピーディーに対応していただいて、何とかここまでこれたというところで、本当にありがたく思っています。

ーー承継者として大田原さんに決めた理由を教えてください。

小玉:大田原さんには最初からしっかりとした目標があったんですよね。あとは若いこともあって、これから長く続けていってくれそうだと思い、大田原さんがいいなと思いました。

宮崎の農業を盛り上げていけるような場所にしたい

ーーこれから大田原さんに引き継がれると思いますが、今後どういう場所になってほしいですか?

小玉:今まで事業をやってきて、たくさん失敗をしてきました。その中で、自分に合った栽培の仕方を見つけてきたので、試行錯誤しながら、自分のやりたいことがずっと続けられるように頑張ってほしいなと思います。

ーー小玉さんは隣の土地でまだ農業を続けられるそうですね。

小玉:別のところにあるハウスで、苗作りをする予定です。自分が大田原さんに教えていけるかは不安なんですが、少しでも助けになればと思っています。

大田原:良い師匠として、これからもいろいろと面倒を見てほしいなという甘えが少しあります(笑)

ーー大田原さんは、ハウスをどんな場所にしていきたいですか?

大田原:もともと農業の面から地域振興していきたいという思いがあり、3月に仕事を辞めて農家に転身することにしたので、宮崎の農業を盛り上げていけるような場所にしていけたらいいなと思っています。

新規就農者の就農ハードルを下げる「事業承継」という形

ーーrelayを使ってみていただいた感想はいかがですか?

大田原:最近はハウスを新規で建てようとすると、家が建つレベルの金額がかかってしまうので、どうしても新規就農者するにあたって大きなハードルになってしまいます。

資金的にネックなこともあり、施設園芸をやりたいという就農希望者がなかなか就農できない状況を前々から耳にしていたので、中古ハウスの承継があること自体が新規就農者にとってはありがたいことだなと思っています。

もう少しこういうのがあればいいなというところで言えば、今回のように、ハウスの持ち主と土地の持ち主が違う場合でも、土地も一緒に斡旋してくれるといいなと思いました。今回はハウスの方だけrelayさんの方で承継を進めてもらったんですが、土地も一緒にやってくださると、よりスムーズに就農できると思いました。

宮崎市であれば、ハウスは農政企画課が窓口で、土地は農業委員会が窓口。行政の部署が分かれていて、まったく知識がない人が就農しようと思うと、いろいろ戸惑うこともあると思います。施設の事業承継などであれば、その下の土地も一体で継承できる形で展開していただけると、就農希望者にとってより良いサービスになると思います。

 

ーーありがとうございます。今後の参考にさせていただきます。今回の事業承継を機に、ハウスを手放すことに寂しい気持ちなどはあったりしますか?

小玉:今回承継する中古ハウスは自分たちが中古で建てたハウスなので、寂しさはありますね。でも、もう自分たちではどうしようもできないので、残せる形で譲れたのは良かったなと思います。

ーー大田原さんのお気持ちはいかがですか?

大田原:不安はそこまでなく、今はわくわく感というか、自分の場所で自分の農業ができることに対する喜びの方が大きいです。

ーーいいですね!いちご大好きなので、また食べにお伺いしたいです。素敵なお話をありがとうございました!

行政からの周知だけでなく、若年層の閲覧も多いrelayを使って後継者募集をしたからこそ、農業に本気で取り組みたい若手の大田原さんとマッチングできた今回の事例。

農業など、いろいろな方面から振興が進む宮崎市。今後も目が離せません!

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