地域の生活を支えて50年。北海道羅臼町の食料品店「東谷商店」が後継者を募集！

地域の生活を支える商店

「東谷商店」は北海道羅臼町（らうすちょう）にある食料品店。創業50年を超える老舗の商店で、長年地元で暮らす人々の生活を支えてきました。

店内には食料品やお酒をはじめ、シャンプーや文房具、雑誌にいたるまで様々な商品が並んでいます。それも、地域の生活を支える密着型の商店ならでは。古くからの常連さんが足繁く通っている、地元から愛される商店です。

お店がある北海道羅臼町は、昆布の生産地としても有名な地域です。羅臼昆布は「真昆布」「利尻昆布」と並び、三大高級昆布のひとつとして数々の料理人に重宝されています。東谷商店では、その卸売業も担っています。

経営者の紹介

「東谷商店」は、現在の代表である東谷吉利さんのお父様が創業されたお店。東谷さんが中学3年生のころ、自宅で始めたお店だといいます。

東谷さん「はじめは私の祖父が、卸売業のような形で商売をしていたのがきっかけです。その時はお店を構えていたわけではなかったので、父の代で商店という形ではじめました。なので、私で3代目になりますね」

当時の東谷さんは長野県にある商店兼農家へ丁稚奉公（でっちほうこう）に行きながら、アルペンスキーの選手としても活躍していました。1年間その商店で学び、地元羅臼町に戻ってきたのが25歳のころ。そこからお父様の仕事を手伝いながら、3代目としてお店を受け継いだと話します。

東谷さん「羅臼に帰ってきてしばらくしたころ、長野県で出会った知人から『とある料理人を紹介したい』と連絡があったんです。その方は出汁を取るのに良い昆布を探していて、羅臼昆布に目をつけた。そのころから羅臼昆布の勉強を始めて、卸売の仕事もはじめました」

今も商店と継続して羅臼昆布の卸売を行っている東谷さん。順風満帆にいっているかのような会社経営でしたが、ピンチもあったと振り返ります。

東谷さん「過去に二度、父が商店を辞めると言い出したことがありました。家族経営だったものですから、なかなか経営をめぐってぶつかることも多くて。でもその度に話し合いをしてなんとか持ち堪えて今に至ります。それも地元に育てていただいたお店だからこそ、もっと地域の皆さんに還元したいと思ったからなんです」

当時は地域に2軒あった商店も、今は東谷商店の1軒のみ。

地域とともに育ってきたお店だからこそ、簡単になくしてはならないという強い思いで今日まで仕事を続けてきたといいます。

後継者を募集する理由と後継者への想い

そんな東谷さんが今回事業承継に踏み切ったのは、ご自身の体力に対する不安からでした。

東谷さん「71歳になって、やっぱり体力が持たなくなってきました。仕入のやり取りやお店の管理までやっていると、おいそれと病気になることもできません。とはいえ自分の年齢を考えると、そろそろこの辺が限界になってくるかなと考えたんです」

今あるこの商店に限らず、時代の流れに合わせた商売をしていく。そんな思いで動いてくれる後継者を募集しています。

東谷さん「商店機能や建物を引き継ぎたいと考えています。最初の1年はつきっきりでサポートしながら、経営や卸売の仕事をお教えしたいなと。その後も身体が許す限りは、相談に乗りたいと思っています」

引き継ぎの条件と要件

承継の対象は商店の建物・設備はもちろんのこと、隣接している倉庫や調理施設など一式を引き継ぎたいと考えています。昆布の卸売事業もお譲りする予定です。

東谷さん「今はあまり使っていませんが、店舗横には調理スペースもあります。仕入した商品を保管しておく倉庫も併設しているので、そこも自由に使っていただいて問題ありません。なんならリノベーションして、カフェや民泊にしていただいてもいいですしね」

まるっと一式をそのまま引き継ぐことができる上に、設備は自由に改装・リノベーション可能とのこと。観光地としても有名な羅臼町で、カフェや民泊・ゲストハウスをはじめたい方にはうってつけです。

あとを継ぐメリットと課題点

店舗のある北海道羅臼町は、観光地として需要が高いことが大きなメリットの一つです。

世界遺産である知床から車で約30分の場所に位置しており、観光地としての需要が非常に高いことが特徴。春から秋は海釣りやホエールウォッチングを楽しむことができ、冬には水平線いっぱいに押し寄せる流氷や、北海道にしか生息しない鳥を観察できるバードウォッチングを楽しむことができます。

地域の商店は東谷商店1軒で、そのほかは大手コンビニが主な小売店です。そのため、商店に並べるラインナップによっては、地域の人のみならず観光客も多く訪れる可能性を秘めています。

一方で、羅臼町は漁師町ですが、魚の不漁が続いており活気が低迷している雰囲気もあります。東谷さんは「世界遺産の観光地なので、ぜひ外国からも人が来るようなお店にしてもらえたら」と話してくれました。

北海道有数の観光地で、地元内外から愛される商店を引き継いでいきませんか？

北海道羅臼町ってこんなところ

羅臼町は、世界自然遺産に指定された知床半島の南側に位置する、自然に囲まれた町。

一年を通して様々な野生動物と触れ合うことができるほか、羅臼岳の登山やトレッキング、スキューバダイビングなど楽しめるアクティビティが充実しています。また、海に面する港町ということもあり、北海道が誇る新鮮な海産物を味わうことも。なかでもエゾバフンウニや鮭、カニやホタテは絶品です。

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