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今の時代だからこそ、活版印刷が持つ手作りの良さを引き継ぐ後継者を募集!
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デザインや書物が好きな方から、今も根強く人気がある活版印刷。近年開発が進んでいる、福岡市地下鉄七隈線六本松駅から徒歩5分ほどの場所にある「文林堂」は、活版印刷を50年近く続けている印刷会社です。
活版印刷とは、鉛でできた活字を組み合わせて組版を作成し、そこにインキをつけて紙を載せて上から圧力をかけることで、紙にインキを転写する印刷法。組版を押し当てる形でインキを付けるため、紙の凹凸を肌で感じることができます。そこには、手作業で制作した味わいやお客さんへの想いが込められています。
店主の山田善之さんは、人の手が加わった味わい深い活版印刷の事業を引き継いでくれる方を募集しています。
先代から引き継いだ活版印刷
山田さんが活版印刷に携わったのは10歳の頃。戦後にお父さまが当時の最新機器を揃えて、活版印刷の仕事を始めました。当初は家業のお手伝いだったそうですが、仕事を覚えていくうちに活版印刷への想いが強くなっていったと言います。
山田さん「戦後は文芸活動が盛んで、学校の文芸誌などを活版印刷で制作していました。今の時代では『子供に何をさせてるんだ』と言われるかも知れませんが、私は喜んで手伝っていました。当時は、家計が厳しければ、子どもでも親を助けたいと思うものです。当時からお客さんのところへ行き、印刷した名刺などを持っていくと喜んでもらえて、それがとても嬉しかったんです。今の人たちにも、お客さんへの想いを込めて作ることや、作り手としての喜びを知って欲しいですね」
子供の頃からお客様とコミュニケーションを取り、求められているものを活版印刷を通して形にしてきた山田さん。そこにはお客様への想いが込められており、実際に使ってもらう体験や喜びの声を通して、活版印刷の魅力を知ったと言います。
印刷への想いから活版印刷を復活
しかし、時代が進むにつれて印刷が効率化され、一度は活版をすべて手放して活版印刷を辞めてしまいました。先代から引き継いだ活版印刷を一度はすべて手放したものの、子供の頃から携わっていた活版印刷を復活させたいという気持ちがずっとあったそう。そして約15年前、廃業した印刷所などから再度活字や道具を集め直し、活版印刷の事業を再開しました。
山田さん「すごく苦労しましたよ。まずは活字を探しにいくところから始めました。今の時代では、印刷はほとんど機械化されて、全国どこでも同じものが印刷できてしまう。すべてが『印刷物』に見えてしまう。印刷会社の人に『何してるの?』と聞いたら『印刷機に紙を食べさせて、取り出してるだけ』とそこに人間味はなくなっています。活版印刷を通して、手の感触とか、人間が持っている機能とか、自分が得たものを伝えることができると思うんです」
印刷への想いから活版印刷の事業を再開した山田さん。営業活動はしていないにも関わらず、クチコミや活版印刷を愛する方々から依頼がくるそうです。依頼は福岡にとどまらず、県外からも。中には、県外イベントのパンフレット等もあり、コロナ禍にも関わらず、そのイベントには6000人ものお客様が来場されたそうです。
博物館とコラボして、ワークショップ
長くお付き合いしているお客様がいる一方で、若い世代にも活版印刷を知ってもらうために、博物館とコラボして、ワークショップを開催したことも。年代も性別も異なる方々が参加して、活版印刷の魅力や味わいを体験していました。ワークショップに参加された方からは、「公的な機関が援助してでも、残していかなきゃいけない」という声も多くあったそうです。
山田さん「コロナ禍でなければ、市や博物館と協力してワークショップや観光ツアーができたんじゃないかと思うんですけどね。博物館から文林堂までバスのルートがあるので、できないかと聞いてみたけれど、今は難しいようです。事業を引き継ぎたい方は、そういった新しい企画も考えてくれると嬉しいです」
願わくば、活版印刷の技術と印刷への想いを引き継いでほしい
活版印刷は手作業のため時間がかかり、一度にたくさんの仕事を受注できないので、収益はそれほど高くないそう。文林堂という名前や場所、機材を引き継ぎ、別の用途として活用することも可能です。しかし山田さんとしては、活版印刷を続けて欲しいそうで、サポートも惜しまないと言います。
山田さん「私自身は、活版印刷を仕事にしてきて、すでに十分満足しています。100%を超えるくらいやりきりました。譲りたい人の中には、名前や機材だけを譲って欲しいといった条件があると思いますし、私もそこにあまりこだわりはありません。年齢的にも、私一人でずっと続けるのは難しいので、活版印刷を辞めて引き取り手もいなければ、集めた活版などは処分するつもりです。
私の希望は、誰かが活版印刷を続けてくれることです。小学生でも使える機械もあるので、それを使ってまずは小さく始めることもできます。もし本格的にやりたいという人が現れれば、一つずつ、しっかりと指導していきますよ」
時代と共に印刷の技術が効率化されていく中で、活版印刷が残って欲しいという思いが残る山田さん。譲り受ける方の考えを最大限尊重して、その中で活版印刷を残す道を探しています。
山田さんの想いを引き継いで、想いを込めて印刷する活版印刷の後継者になりませんか?
事業者情報
商号 | 有限会社文林堂 |
所在地 | 福岡県福岡市城南区鳥飼5丁目2−18 |
代表者 | 山田善之 |
創業 | 1972年2月4日 |
業種 | 印刷業 |
特記事項 | 譲渡額については、後継者の希望によって変動の可能性あり |
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