お客さんとの会話を大切にする明るいカフェ。宮崎の中心街にある「Doze cafe 」が後継者を募集！

宮崎駅から10分ほど歩くと、地元の人や観光客が日々訪れる市内最大の飲食店街の西橘通り、通称「ニシタチ」が賑わいをみせます。この通りを一つ離れると静かで落ち着いた街並みが顔を覗かせます。

ニシタチから北に国道10号線を越えた閑静な場所にあるのが、「Doze cafe （ドーズ カフェ ）」。お客さんとのコミュニケーションを楽しむ明るいオーナーが運営するこのカフェが、今回新たに後継者を募集しています。

やりたいことをやるために35歳で脱サラ、40歳で開業

Doze cafe の創業は、2013年。今年で10年目を迎えるこのカフェを運営するのがオーナーの福井治さん。お菓子メーカー、大手ビールメーカーなどを経験し、35歳で会社員を辞め、親交のあった東京のイタリアンカフェのオーナーのもとで4年修業後、40歳で独立しました。

福井さん「当時、仕事や給料の面は非常に良かったのですが、東京や海外での勤務で仕事の時間ばかりになり、精神的にきつくなっていって……。その中で、自分のしたいことを考えるようになりました。

飲食店は、ビールメーカー時代に飲食店の事業者さんのところに営業に行っていたことから徐々に興味を持つようになりましたね。宮崎にはもともと会社員時代に4年ほど担当したり、サーフィンが好きだったりと、縁がありました。のんびりしているところもいいですよね」

開業当初は文化の違いに四苦八苦

東京で修行していたお店は本格的なイタリアンで、パスタやピザ、カプチーノなど本場のクオリティを学んだそうです。創業の運転資金は会社員時代の蓄えと退職金で賄い、宮崎での開店に備えました。当初はモーニング、ランチ、バーとそれぞれに時間を取った形で営業。しかし、当初は宮崎の文化や風土に悩むこともあったといいます。

人気のハンバーグと自家製パンのセット

福井さん「宮崎は定食文化で、ランチがメイン。モーニングに来る方はほとんどいませんでした。また、唐揚げやチキン南蛮、ハンバーグなどしっかりとした定食やカフェご飯の文化が強い土地。軽食で勝負していくのには向いていないとわかりました。

開店から1年後にはメニューを一新したり、モーニングを辞めてランチメインにしたり、メニュー単価を700円程度にさげたりと形態を土地に合わせて営業するようになりました。現状、平日のランチで15～20人程度のお客さんが来店されます。金額で2万円程度の売り上げですね」

自然と入りたくなるお店に

福井さんの喫茶店やカフェのルーツは学生時代。大学生時、通っていた喫茶店で話しかけられる心地よさを感じてきたといいます。

福井さん「“学校さぼってない？”とか、たわいのない会話ですが、お店の人から話しかけられるのが非常に心地よかったんですよね。私は開業して、お店に出ていない時期もありました。そういう時って、なぜかうまくいかなくて……。

しかし、自分のルーツを思い出して、お店に出て、積極的にお客さんと会話するようにしました。ここに来れば、何か話せるし、ゆっくりもできる。雰囲気はもちろん、値段や形態も含めて、お客さんが自然と足が向くようなお店づくりにしました」

もともと大阪の出身で、営業経験も豊富だったため、人と話すことや話を聞くことに抵抗がなかった福井さん。持ち前の明るさ、コミュニケーションの強みを活かして、徐々に常連さんを増やしていきました。

コロナ禍を経験し、閉店、オーナーチェンジを決意 

2年目以降は軌道に乗り、地元で愛されるお店に。しかし、5年ほど経ちコロナ禍の影響を受けてしまいます。お客さんも来たくても来れない状況になり、福井さんは心を痛めたといいます。そして、2022年の冬頃から閉店、オーナーチェンジを考えるように。

福井さん「常連さんには後継者を探していることは言っています。本当に閉店するのか、と心配くださる方が多くて、ありがたいですね。閉店後の私の処遇についてはリタイアという形にさせていただきます。」

設備はすべて譲渡。希望次第で屋号も

現在ある設備や備品に関してはすべて譲渡可能。厨房のリース設備はすべて買い上げたため、追加での支払いはなくなっている状態です。冷房設備に関しては、新設で3台設置したところ。もし屋号も引き継ぎたいのであれば、それも可能です。

福井さん「引き継ぎ後、すぐ始められる状態にしています。もしわからないことや知りたいことなどあれば、聞いてください。」

やりたいことをやれて、のんびり仕事がしたい人に

福井さん「ランチ時間など、勝負するときは忙しいですが、それ以外は結構ゆっくりできます。そういうのが好きな方はいいんじゃないかと思いますね。県外から引き継ぎたいと言ってくれる方は、宮崎ののんびりした風土に戸惑うこともあるかもしれません。考え方やリズムも違うので、その点は慣れが必要かもしれませんが、ギャップがある反面癒されますよ」

福井さん自身も会社を退職するまでは飲食業界は素人だったといいます。それでも、自身のやりたいと思うことに向かって突き進んできた手腕や想い。それらが詰まった明るい店主が営むお店を引き継ぐ後継者を募集しています。

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