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1500年の歴史を誇る「笏谷石文化」を暮らしの中に。「株式会社ふくいブルー」が後継者を募集
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戦国時代に柴田勝家が北ノ庄城を築き、江戸時代には福井城を中心とした城下町として栄えた福井県福井市。「株式会社ふくいブルー」が扱う笏谷石(しゃくだにいし)は、同市内の足羽山付近で1500年以上前から採掘されていた火山礫凝灰岩です。北ノ庄城、福井城の石垣を始め、古代から石仏や建築物などに広く用いられてきました。笏谷石などを用いた福井県内の石文化は日本遺産の認定も受けており、福井の歴史と文化を象徴する存在でもあります。
「株式会社ふくいブルー」では、その笏谷石の食器などを製造・販売する事業の後継者を募集しています。
福井らしさを表現できる石の器
株式会社ふくいブルーは、福井市内の屋根工事会社「福井窯業株式会社」の「蘇生笏谷石事業部」として2011年に創業し、17年に独立して設立されました。
創業のきっかけは、1998年に採掘が終了とのニュースに接した代表取締役の近藤登幹夫(ときお)さんが「笏谷石の歴史を絶やしてはいけない」と危機感を覚えたこと。かつては建物の土台などに使われていた石を加工して、皿や杯、湯のみ、茶道具、水盤などの食器や生活雑貨に再生し、販売しています。販路は県内の土産物店や道の駅、全国に店舗を展開する「ハンズ」(旧東急ハンズ)でも取り扱いがあり、都市部の女性客などからも好評を得ているそうです。
近藤さん「福井の食材に力を入れる国内外の飲食店でも笏谷石の皿が使われており、最近だと福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館のカフェにも採用されました。さらに、ホテルなどから新規の引き合いがあるなど、福井の歴史と文化を表現できる器としての評価が定着してきました。『県外からの賓客をもてなす時に笏谷石の器を出すと30分以上話題が尽きない』という声をいただいた時もあります」
笏谷石文化を後世に残すために
屋根工事に携わってきた近藤さんにとって、北前船で全国各地に運ばれた笏谷石は、屋根の棟石(むないし)として伝統的に用いられており、日頃の仕事を通じて身近な郷土の素材でした。最初は「個人の道楽」として笏谷石の保存に取り組んできたそうです。
近藤さん「もう新しい石が採れなくなると聞くと、私が1500年の歴史を受け継がなければという思いが湧き起こりました。そこで、まず10年くらいかけ、県内の住宅の塀垣や蔵の土台などで使われていた笏谷石をこつこつと集め始めました。笏谷石は福井にしかない貴重な石です。事業の意義を福井県知事や福井市長に直接訴えて事業への理解を求め、支援を受けることもできました」
暮らしの道具として、石が物語る文化と歴史を感じる
「笏谷石は濡れると、なんとも美しい青色に変わる。こんなに素晴らしい石はほかにはありません」。近藤さんの口から笏谷石を愛でる言葉が尽きることはありません。
ただ、石を食器に加工するには技術的なハードルをいくつも越えなければなりませんでした。最初は地元の石材店に加工を依頼したそうですが、返ってくる答えは「ノー」ばかり。ようやく県外の加工業者が見つかり、柔らかい笏谷石を薄く、軽く、使いやすい食器として加工できるようになりました。独特の石臭さを消す加工方法も独自に開発。表面の皮膜加工や絵付けは、福井県の伝統工芸である越前漆器の技を取り入れました。
近藤さん「新しい建築に重い石を用いるのは大変ですが、軽くて使いやすい器なら、毎日の暮らしの中に気軽に笏谷石の美しさを取り入れることができます。全国、さらには世界中の人たち、若い世代の人たちにも、笏谷石の器を手に取っていただきたい。笏谷石は福井の歴史と文化を語りかけてくれるはずです。この素晴らしさを伝える役割を、次の世代にも受け継いでもらいたい」
競合のない独自の事業で収益性、将来性も高い
事業は近藤さんがすべて一人で手がけてきました。同様の事業を展開する事業者はありません。製造は加工会社に外注していますが、デザインや製造・加工のノウハウ、県内外で開拓してきた販路やブランド力、そして商品に込めた「ストーリー性」までを独自に築いてきました。さらに、具体的な数量は分からないが、当面の間は十分製造を続けられるだけの笏谷石も大量にストックされているとのことです。
近藤さん「事業を受け継いでいただける方には、集めた石とともに、製造や事業展開のノウハウを引き継いでいただきたい。必要なことは全部お教えしますし、取引先との引き継ぎについてもお世話させてもらいます。かつては、主に建材として用いられていた石を美しく使いやすい器に生まれ変わらせることで、希少価値のある製品として販売でき、利益性も高い事業です。注目度も年々高まっており、将来性も大きいと思われます」
笏谷石の美しさを世界に発信してほしい
近藤さん「英語など、外国語でコミュニケーションが取れて、笏谷石を世界に発信できる方。承継先に望むのはこの一点です。ドイツ・ベルリンのレストランでも器を使っていただき、好評だそうです。神秘的な青い色の魅力を、世界中の人に伝えてほしい。モノを売るだけでなく、1500年の歴史ある文化を伝えることの感動も大きい事業です」
現在は近藤さんの地元の福井県福井市に自社物件の事務所があり、この場所を賃貸して事業を継続することも可能ですし、企画や販売は東京などの別の場所に拠点を移すことも可能。2024年3月には北陸新幹線の延伸を控え、交流人口の増加や注目度の高まりが期待できる福井県での、福井らしさあふれるオンリーワンの事業。
近藤さんの思いを引き継いで、「株式会社ふくいブルー」の可能性を広げてくれる後継者を募集します。
事業者情報
商号 | 株式会社ふくいブルー |
所在地 | 福井県福井市田原2丁目20-17 近藤ビル2F |
代表者 | 近藤 登幹夫 |
業種 | 笏谷石製器の製造・販売 |
募集形態 | 事業譲渡 |
選考フロー | ヒアリングシートの回答→福井県事業引継ぎ・支援センターへおつなぎします |
注意・禁止事項
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利用規約にて直接のご連絡はご遠慮頂いております。
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