宮崎県小林市で80年以上続く理容室「ヘアーサロンいけうえ」が店舗を引き継ぐ方を募集！

宮崎県の南西部に位置する小林市。熊本県・鹿児島県と接しており、九州山地や霧島連山などの山々に囲まれた自然豊かなまちです。小林市の魅力は、豊かな自然が育んだ「水」。市内には75ヵ所の湧き水があり、出の山湧水は名水百選に選ばれるほどです。良質な水のおかげか食べ物もおいしく、宮崎牛やマンゴーなど、特産品もたくさんあります。

そんな小林市に、「ヘアーサロンいけうえ」という老舗の理容室があります。店主は池上達夫さん。現在は休業中で、年齢的な理由もあり後継者を探しています。

言わずとしれた地域の老舗理容室

JR小林駅から歩いて約3分。小林市の街中、西旭通り沿いに「ヘアーサロンいけうえ」はあります。3階建てのビルの1階が理容室で、2〜3階は池上さんの自宅(理容室と自宅の入口は別)。店先には駐車場スペースがあり、理容室の象徴であるサンポールがお客さまを出迎えます。

店内には4席のセットチェア、奥には流しのスペースがあります。以前は従業員を雇っていたそうで、今までに何人もの理容師を育て上げたそうです。

池上さん「県の組合の役員をしていたもんだから、インターン生として従業員をたくさん受け入れていたんです。一番最後の弟子は、小林市で開業しているんですよ」

たくさんのお弟子さんを育て上げた池上さん。理容師としての実力もピカイチです。理容師としてこのお店に立ち続けて60年。今までたくさんのお客さまの髪をカットしてきました。

池上さん「私らの時代は理容室が主でしたし、子どもから大人までいろいろな方を担当させていただきました。市内に限らず、市外からのお客さまもいましたよ」

理容室の周辺は、魚屋さんやカメラ屋さんなどの商店で昔から賑わっていたそうで、現在でもお店が多いエリアです。駅が近くて立地がよく、長年、地域の理容室として親しまれてきました。小林市では言わずとしれた老舗の理容室なのです。

親子、孫の世代まで続く信頼関係

ヘアーサロンいけうえの創業は昭和11年。創業者は池上さんのお父さんです。

池上さん「父が開業したのは私が1歳の時でした。なので今年で創業87年ですか。私が店を引き継いだのは昭和38年。お客さまのカルテを作ったり、当時珍しかった予約制を導入してみたり、いろいろと試行錯誤を重ねてきました」

先代から店を引き継ぎ、長年に渡りこの地で理容室を続けてきた池上さん。子どもの頃からずっと関わってきたお客さまも多いそうです。

池上さん「昔は子どもがよう来よってね。小さい頃からずっと来てくれているお客さんもいるんですよ。その子が大きくなって子どもを連れてくるようになって、その子どもが大きくなって子どもを連れてくるようになって、孫の世代まで対応させて頂けるのはありがたかったですね」

池上さんとのおしゃべりが楽しみでご来店される方が多く、なかには「池上さん以外のところには行きたくない」という方も。お店が営業できなくて散髪をお断りする際も、「残念」という声が上がったそうです。

髪のお悩み相談を受けたり、お客さまと紳士に向き合ってきた池上さん。髪を切ることだけでなく、コミュニケーションも大事にされてきたからこそ、お客さまとの間には厚い信頼関係があります。それが、この地域の老舗理容室として愛されてきた理由なのかもしれません。

しかし、ご自身の怪我や年齢的な理由から引退を決意。惜しまれる声もありますが、この店舗を使って理容室・美容室をしたいという方を池上さんは探しています。

店は賃貸。業態は問わず自由に活用可。

池上さんは、理容室として使っていた店舗部分（1階）を賃貸として使ってほしいそうです。2〜3階が池上さんの自宅で、電気設備などを分けることは難しいため、家賃・水道代・電気代・駐車場代を合わせた月額料金を考えています。

池上さん「別の業態でも構いませんが、設備が残っているので理容室や美容室として使っていただいたらよいかなと思っています」

理容室にある設備はすべて自由に使ってよいとのこと。冷暖房完備で、セットチェアや鏡もそのまま残っています。開業するうえで初期投資を抑えられるのは大きなメリットです。さらに、立地がよいことから集客も期待されます。

池上さん「ここは立地も良いので人目につきやすいですし、お客さんを獲得しやすいと思いますよ。この周辺は区画整理された新しい町なんです。周りにお店も多くて、最近は新しいお店もできてるんですよ。若い人たちが頑張っています」

近所には新しくレストランやコーヒーショップ、古着屋さんがオープンしているそう。東京からUターンして戻ってきた若者たちも活躍しており、町に活気があります。近くに頑張っている若者がいることは、大きな刺激になるかもしれません。

一生懸命仕事をする人に承継して欲しい

お客さまとの印象に残っているエピソードを聞くと、「もう忘れちゃったなぁ……」と笑いながら答える池上さん。数え切れないほどの思い出が詰まったお店を新しい世代に引き継ぐのは、どういった想いなのでしょうか。

池上さん「できればこの場所にこの業態が残ってほしいという想いですね。引き継いでもらう方には、ぜひ一生懸命仕事に取り組んでいただきたいです。いやいや仕事をするのではなくてね」

地域に根ざして理容室や美容室を開業したいという方は、一度話を聞いてみてはいかがでしょうか？

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