村に一つしかないお食事処。昼は定食屋、夜は居酒屋として営業する「はるちゃん」の後継者を募集！

北海道北部のオホーツク紋別空港から車で1時間20分ほどの位置にある、西興部村（にしおこっぺむら）。村面積の約9割を森林が占める村のキャンプ場に隣接してお店を構える「はるちゃん」は、お昼は定食屋、夜は居酒屋として、地域の人や仕事・観光などで西興部に訪れる人のお腹を満たすお食事処です。

切り盛りするのは佐藤春美さん・チエ子さんご夫妻。まだまだお元気なお二人ですが、地域に欠かせない飲食店を守り続けるために後継者を募集しています。

飲食業界の経験を活かし、西興部にお店をオープン

佐藤さんご夫妻は紋別市のご出身。お二人が西興部村に移住し、お店をオープンしたのは14年前のことです。それまで、春美さんは40年以上お寿司屋さんに勤め、チエ子さんはホテルのレストランで働いていました。

春美さん「40年以上勤めていたお寿司屋さんが閉まることになって、ちょうど新しい職場を探しているタイミングだったんです。西興部に嫁いだ娘の旦那さんを通じて、村の関係者に『応援するからここでお店をやってみないか』と声をかけてもらいました」

飲食業界の経験があったお二人は、紋別から西興部に移住してお店を開くことを決意。「はるちゃん」という店名は、春美さんの幼い頃からのあだ名が由来です。

人気メニューは自家製ダレに漬け込む「鹿丼」

現在の営業時間は、お昼は11時から14時、夜は17時から24時までですが、お客さんが入らないときは20時にお店を閉める日もあるのだとか。

チエ子さん「昼は仕事で西興部に来ている人や通りすがりの方が食べに来てくれることが多いですね。夜はほとんど地元の人。すぐ近くにホテルがあるので、ホテルのお客さんがお酒を飲みに来てくれることもありますよ」

春美さん「近くに飲食店がないから、二次会に行けないでしょ？だから一人あたりの金額は張るんですよ。夜の客単価は7,000円くらい。近くに飲食店がないことも一つのメリットになっているのかもしれないね」

地方から訪れる人に人気のメニューは、鹿肉を自家製タレに一晩漬け込んで作る「鹿丼」です。

チエ子さん「鹿肉って珍しいんでしょうね。でも、地元の人からはやっぱりザンギ定食が人気ですよ」

事業を譲ってから引退するのが西興部スタイル

佐藤さんご夫妻が事業承継を決めたきっかけは、春美さんのご年齢を踏まえてのことでした。

春美さん「もともと70歳で引退しようと考えていたんです。でも村の人たちがすごく応援してくれたから、もう少し頑張ってみようかなと思って、71歳になった今も続けています。

近くに飲食店がないから、このお店がなくなったら困る人がたくさんいるんですよ。だからこのお店を残すためにも誰かに譲りたいと思ってね。常連さんにも『跡継ぎを探してから辞める』と伝えています」

事業を畳むのではなく、後世に譲ってから引退するというのは、村としての風潮でもあるそうです。

チエ子さん「西興部は酪農農家が多いんだけど、引退するときは必ずみんな、次の人に譲ってから辞めていくんです。だから村から酪農が減ることはない。酪農がしたくて地方から来る若い人も多くいるんですよ」

西興部は昔から長く事業をしている人だけでなく、新しい事業を始めるために移住してくる人も多く、お年寄りだけでなく若い人や子どもの数も多い村だそうです。

車さえあれば暮らしやすい村

お店をオープンするために西興部に移住した佐藤さんご夫妻は「西興部は子育てがしやすい村」だと教えてくれました。

チエ子さん「村には保育所もあるし、子育て世帯の方も住みやすいと思います」

春美さん「車はないと不便だけど、車さえあればとても住みやすい村だと思います。仕入れに関しては、今は週に1度だけ紋別に行っています。それ以外は業者が3日おきに配達に来てくれます」

村のために積極的に動いて欲しい

後継者にはレシピも全て教えてくれるという佐藤さんご夫妻。承継後もしばらくは近くで見守ってくださるとのことで安心です。

春美さん「ガッツリと飲食の経験がなくても、少しかじっているくらいでも問題ないと思いますよ。ただ、村の人に頼まれたらなんでもできるような人になって欲しいです」

チエ子さん「冠婚葬祭の時はお料理を作って運んだり、お祭りの時は屋台を出したりするんです。村の行事にはなんでも参加して、村のために積極的に動いてくれる人に継いで欲しいですね」

西興部村に欠かせないお食事処「はるちゃん」。緑豊かな土地で、地域の人に愛されるお店を引き継いでみませんか？

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