全都道府県を見て回ったからこそわかる鳥取ならではの魅力を伝え続けていきたい

兵庫県三田市在住の上山仁さん。千葉県の大学を卒業後、全国の観光地に常駐し、観光名所やテーマパークで集合写真を撮影販売する会社に勤務されていたそうです。

「熊本の阿蘇を中心に、九州全般を回って、集合写真の撮影と添乗員的な役割をしていました」

その後、団体旅行や社員旅行の減少により、会社は九州の事業を撤退。千葉県出身の上山さんは、これを機に関東に戻ろうと、軽井沢や箱根でリゾートホテル等を経営する会社へ転職されました。

「関東方面に行こうと思っていましたが当時、兵庫のホテルで3か月の研修があったんです。研修だけのつもりが、そのまま勤務することになって、2000年からずっと兵庫です」

上山さんは、友人と新しい事業を始めるために20年間、勤務したホテルを2022年末に退職し、翌年の1月から事業をスタートされました。インバウンドを主流にした観光事業です。ゴルフ場と連携を取り、インバウンドの旅行客を取り込んで地域活性化につなげようと試みました。ゴルフを観光のポイントにしたのは、上山さんが勤めていた地域から車で40分以内の場所にゴルフ場が60コースもあったからです。しかし、様々な事情で最終的にはうまくいかなくなり、4か月で撤退することになったそうです。

現在は兵庫県内のレストランで、接客を担当されています。

鳥取県に対する想い

鳥取の事業承継に興味を持たれたのは、兵庫からも近く、お子さんと遊びに出かけたり、冬はスキーもでき海もあり自然豊かな場所だから。また、スキーが好きな上山さんは、学生時代はスキー場で住み込みのアルバイトをしたこともあるそうです。そんな身近で観光地としても魅力のある場所ということもあり、これまでも鳥取には何度も旅行で訪れていたそうです。

「鳥取には魅力的なコンテンツはたくさんあると思います。そのコンテンツが他と差別化できないの困りますが、鳥取のコンテンツは差別化できるプラスの面がたくさんあると思います。また、今住んでいる三田市には妻の両親もいるので、実家への帰省のしやすさという面でも、車で2時間半ほどで行ける点も私にとっては魅力です。鳥取に移住しても帰りやすいですしね」

事業承継を見据えている理由

上山さんが事業承継を見据えている理由は、「せっかく今まで続いてきた事業がなんらかの理由で閉じてしまうのはもったいないし、残念なことだ」と考えたからとのこと。

「地域の活性化を仕事にしたいと思っています。いい事業だったからこそ、今まで続いてきたはずです。それが途切れてしまうのはもったいないですし地域にもマイナスです」

もともと地域を元気にできるような観光関係の事業をやりたいと考えていた上山さんにとって、事業承継という形であればすぐに行動に移せる可能性があると思われていたようです。

今後実現したいこと

「観光がメインの事業をやっていきたいと考えています。今まで旅行、観光、宿泊などに関係することに携わってきたので、知識も経験もあります。旅行関係、宿泊関係の仕事で地域活性化に貢献できる事業があればやってみたいです。今のリピーターを増やしていくこと、そして眠っている需要を掘り起こして行きたいです。魅力の伝え方だけだと思うので、インターネットをメインにして、地道な取り組みが大切だと考えています」

旅行が趣味だという上山さんは、全都道府県に行ったことがあるそうです。事業承継ができるのであれば、場所的には鳥取県のどの地域でもいいといいます。

フォローしてほしいこと

「鳥取に移住することには抵抗がないのですが、譲渡契約をするときに後々もめることがないようにフォローしていただきたいです」

上山さんは、観光をメインに地域を活性化できる事業をすぐにでも始めたいと考えています。そのため、早い段階で話を進めていくことができればと希望されています。

（執筆：2024年3月）