島根県吉賀町で55年間燃料を提供し続ける「有限会社蔵木燃料」が後継者を募集！

島根県吉賀町で55年続くガソリンスタンド

有限会社蔵木燃料は島根県吉賀町にあるガソリンスタンドです。オーナーの安永常雄さんご夫婦が2人で営んでおり、開業してから55年が経ちます。

営業時間は7時～20時で、主に灯油と軽油の給油を行っています。来店した車への給油以外にも、建設会社や運送会社の重機や大型トラックの燃料を届けることもしています。企業への配達はほぼ毎日、店の開店前である朝4時に出発し、往復2時間かけて行っているのだとか。企業への配達があるおかげで、経営が成り立っているといいます。

地域には農家が多いため稲刈り機用の燃料を配達したり、一般のお客様向けに灯油を配達したり、地域では欠かせない存在です。

常雄さん「同地域には、もう一つガソリンスタンドがありますが、スタッフがいないセルフ式のため、ご年配のお客様は避ける傾向があるようですね。軽油の車にガソリンを入れてしまい、故障してしまったというトラブルなどを防げるので、有人のガソリンスタンドには安心感があるのかもしれません」

経営者の紹介

有限会社蔵木燃料の始まりは、常雄さんのお父様がプロパンガスの会社の代表を務めていた頃に吉賀町にガソリンスタンドを建てたこと。九州でサラリーマンをしていた常雄さんは、お父様の声かけにより帰郷、有限会社蔵木燃料を任されることになりました。

土地柄、地元客が多い一方で、周りにはガソリンスタンドがないため、近くの中国自動車道で燃料切れを起こした運転手からよく電話がかかってきます。

常雄さん「月に2,3回は、真夜中に電話がかかってきて、給油のヘルプを求められます。帰省の多い時期なんかは月に5,6回は連絡がきますね。その時は給油しに向かいます。給油後に喜ばれる姿を見ると嬉しいです」

最近では、伊藤忠エネクス株式会社と長年取引をしていた功績が認められ表彰されたそうです。

常雄さん「伊藤忠エネクス株式会社が50年以上連続して取引した会社が全国に13社だけあります。その中の一つの企業に選ばれました。田舎の企業は私だけでしたので、みんな驚いていましたよ」

55年続けられた秘訣については、地域の人のおかげだと話します。

常雄さん「今まで、地域の人たちに助けられてここまで来られたので、私たちも役に立ちたいという気持ちです。仕事を辞めてしまったら、地域の方が困るはず。今まで上手くいったのは周りのおかげもあるので、感謝の気持ちで続けています」

後継者を募集する理由と後継者への想い

承継を考えるようになったのはご自身の年齢がきっかけ。

常雄さん「おかげさまで、73歳になるまで元気に続けてこられていますが、高齢のため万が一のことを考えています。もしうちがなくなったら、地域の人たちは困ってしまいます。もし後継者の方が見つかったら、できるだけ長く続けてほしいです」

常雄さんのお知り合いには、83歳で現役で仕事を続けられている人がいるそうです。ご自身も、もし後継者が見つからなかった場合はあと10年続けるつもりだと話します。

引き継ぎの条件と要件

希望の譲渡スキームは「株式譲渡」です。

ガソリンスタンドには自宅が併設されており、後継者の希望によっては住宅も譲り、常雄さんご夫婦は別の場所にある住まいに移ることを考えています。早めに後継者が決まった場合は、半年ほど指導のために残るそうです。

また、後継者となる人は「危険物取扱者」の資格取得が必要となります。

あとを継ぐメリットと課題点

大きなメリットは、やはり地域に欠かせないガソリンスタンドとしてこれからも需要が見込める点です。

業務は、前述した給油の他に、車の修理やタイヤの交換などを行うこともあるため、技術を持っている方だとなお良いとのこと。しかし技術がなくても、半年間実務を行っていれば身に付くので、技術がなくても問題ないといいます。

今後の課題として、立地の特性上、新規のお客様が増えづらいところだそうです。

常雄さん「来年から、店の前の家も空き家になってしまいます。田舎なので、新規のお客様が取りづらいと思います。一緒に別の事業をはじめてみるのも良いかもしれませんね」

島根県吉賀町ってこんなところ

吉賀町は、標高1,263メートルの安蔵寺山をはじめとした険しい山々に囲まれた自然豊かな中山間地域です。新緑や紅葉など、四季の豊かさを感じられます。昔から家の庭にお茶の木がある家が多く、自家製のお茶を楽しむ文化があるのだとか。

町の中央部を流れる高津川は、清流日本一に何度も輝いています。川遊びやキャンプ、鮎釣りが楽しめます。

気候は典型的な山陰型気候で、年間の平均気温は13.3度。年間降水量の平均は1,860ミリ前後と比較的多いと言えます。冬は厳しい冷え込みと積雪があります。

『子どもを育み、子どもと共に発展する町』を目指し、保育料と給食費、高校までの医療費は全て無償です。近年では移住者が増え、子育て世代やU・Iターン希望者を行政が手厚くサポートしてくれます。

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