東紀州で唯一の銭湯「みはま湯」。地域の憩いの場を継続する後継者を募集!
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世界遺産の熊野古道を擁する三重県熊野市。温暖な気候と豊かな自然からみかんや那智黒石などの特産品を有し、300年超の伝統を誇る熊野大花火大会には世界遺産に轟く音と光を楽しもうと全国から多くの人が訪れます。
JR紀勢本線熊野市駅から徒歩5分の場所にある、東紀州唯一の公衆浴場「みはま湯」。地域の憩いの場として親しまれてきましたが、惜しまれつつも2022年5月24日に閉業する予定です。みはま湯がある東紀州で銭湯は他になく、今でも利用する地域の人たちのためにも、みはま湯では後継者を探しています。
ピーク時には一日400人。昭和の面影残る、昔ながらの銭湯
「アカペラの尾鷲節(おわせぶし)が銭湯で鳴り響いていました」としみじみと振り返るのは、64年間銭湯を経営してきた戸嶋崟一(たかかず)さんの妻、のり子さん。女湯の脱衣所で突如始まった、ある日のコンサートの一幕について、「すごくいい声でした」と当時の様子を語ります。
入浴場には一般的なお風呂をはじめ、泡風呂や水風呂、スチームサウナもあります。その他、脱衣場にはあんま器、女性用ヘアセット器などがあり、昭和なつくりを残した、昔ながらの銭湯です。
みはま湯の二代目、戸嶋崟一(たかかず)さん
崟一さん「料金20円ほどで各家庭に風呂がない時代、ピーク時は一日400人のお客さんがきました。その頃は、午後2時から深夜12時過ぎまで営業していましたよ」
30年前にトラック運転手から転身。家業を継ぐ
崟一さん「みはま湯は1958(昭和33)年に父親が創業しました。私は滋賀県でトラック運転手をしていたのですが、結婚して5年が経った頃、『跡を継いでほしい』と相談されたのを機に故郷へと戻り、銭湯の経営に携わるようになりました。約30年前、両親と妻の4人で運営してきました」
男湯の脱衣所
崟一さんの両親が他界してからは、のり子さんと二人で切り盛りしてきたみはま湯。2回の改装を経て、入浴場には泡風呂や水風呂、サウナなどの設備を導入してきました。お湯を沸かす釜炊きは、最初はまきを燃料にしていましたが、続いておがくず、今ではボイラー式重油へと変遷してきました。
固定客に支えられ収支はトントン。しかし燃料が高騰
崟一さん「お客さんには高齢の方が多いですが、毎日50人ほどが来てくれますね」
50人のお客さんが固定客となり、収支もトントンで運営できていました。ところが、ご主人の崟一さんが75歳にして脳梗塞で倒れ、左半身が不自由となりました。
いまでは近くに住む弟が手伝いにきて、のり子さんと一緒に銭湯の運営を手伝っているそうです。
崟一さん「新型コロナウイルスの影響は、それほど大きくありません。固定のお客さんに支えられて、これまでやってこれました」
女湯の脱衣所
体調不良やコロナを乗り越えつつあったみはま湯ですが、燃料の高騰が経営を圧迫。最後に追い打ちをかけることになりました。
崟一さん「昨年秋からの重油の高騰は本当にきついですね。高いときで3倍ほどの価格になっていて、ここにきて限界となりました」
地域に密着した、東紀州の憩いの場
昔ながらの銭湯らしく、入り口の中央には番台がある
3月、店頭に「閉店のお知らせ」を掲げたところ、その反響がすごかったと振り返る戸嶋さん。他の銭湯がどんどん廃業に追い込まれていった結果、いまや熊野市を含む東紀州地区で唯一の銭湯がみはま湯です。それだけに、閉店を惜しむ声は絶えないと言います。
のり子さん「日ごろから番台に座って、みはま湯を見守ってきました。いつも来てくれるお客さんには、色々なものを頂きましたよ。私たちだけではなくて、お客さん同士も触れ合える、貴重な場所がみはま湯でした。この地域には他に集まるところがなくて、憩いの場になっていたんだと思います」
すぐ側は海岸で、目の前には太平洋が広がっている
後継者さえいれば可能性はまだたくさんある
5月の閉業を決めた戸嶋さんご夫婦ですが、「まだまだ公衆浴場を運営していく潜在力はある」と言います。なによりも、これまで支えてくれた50人ほどの固定客の存在が大きいそう。
崟一さん「施設や設備が老朽化していますが、リニューアルしたり人を増やせば、サービスを増やして、より多くのお客さんに来て頂くことも可能です。たとえば、今はサウナを週に1回しかオープンしていませんが、これはマンパワーに余力がないのが理由です。週に1度であっても、サウナが好きで通っている人がたくさんいます。常時運転するだけで、すぐにでもお客さんの数は伸ばしていけると思いますよ」
崟一さん「お湯を沸かすボイラーにしても、かれこれ導入して数十年が経って老朽化しています。効率的で省エネ運転ができる最新式にすれば、今のように燃料が高騰している時期であっても乗り切れます」
建物から設備まで全て譲渡。興味に合わせて相談も可能
みはま湯の承継について、建物はもちろん、内部の健康器具など諸設備についてもすべて譲りたいという戸嶋さん。
崟一さん「現在、店舗兼自宅には私たちが住んでいますが、後継者が見つかれば、私たちは出ていく覚悟があります。もちろん、店舗部分のみの譲り渡しなど、興味がある方の希望に合わせて考えますよ」
崟一さん「できれば、少しでも銭湯の経験がある方に引き継ぎたいです。地域の皆さんに愛されてきたのがみはま湯の歴史であり魅力なので、これまでの常連さんや地域にも還元してくださるような形で引き継いでくださる方を探しています」
東紀州最後の銭湯、みはま湯。この地域には、いわゆるスーパー銭湯のような場所さえありません。地域にとっての憩いの場所がなくなると、困る人もたくさんいます。昨今はサウナブームなどの影響もあり、銭湯の価値は全国的に見直されはじめています。
地域の銭湯が次々と閉まっていく今、東紀州の憩いの場所を継続してみませんか。
事業者情報
商号 | みはま湯 |
所在地 | 三重県熊野市木本町258 |
代表者 | 戸嶋崟一/のり子 |
創業 | 1958年 |
業種 | 銭湯 |
特記事項 | なし |
注意・禁止事項
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