繊細優美な「京うちわ」の柄を作る木工の匠。和歌山県印南町の中戸川商店が後継者募集!

和歌山県
製造業
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繊細優美な「京うちわ」の柄を作る木工の匠。和歌山県印南町の中戸川商店が後継者募集!

深い森林に覆われる和歌山県は、「紀州・木の国」と呼ばれるように森林資源が豊富。色合いが良く艶があると評判の「紀州杉」はさまざまな木工品に使われています。

そんな紀州杉などを加工して、日本の伝統工芸品である「京うちわ」の柄(え)を製造している木工場があります。和歌山県印南町に工場を構える、有限会社中戸川商店です。柄の作り手がほかになく、伝統の継承は風前の灯火。代表の中戸川 惠勇(なかとがわ やすお)さんは後継者を探しています。


京うちわを守る木工職人

阪和自動車道印南ICから車で走ること1分。県道28号線沿いの陸橋の下に、2階建ての白い建物が見えてきます。中戸川商店の工場です。木材を加工する機械が並ぶ工場内では、中戸川さんと従業員である弟さんが2人で作業をしています。

中戸川さん「うちは業種でいうと木工。木製の伝統工芸品を作っています。具体的には、京うちわの柄、結納品、神具など。完全製品はなく、製品の一部分を作るのが仕事です。メインで作っているのは京うちわの柄ですね」

京うちわは「都(みやこ)うちわ」とも呼ばれ、宮廷にも用いられていた伝統のあるうちわ。うちわの面と持ち手が別に作られ、差し柄(さしえ)の構造になっていることが大きな特徴です。滑らかに加工された柄は、繊細で優美な京うちわの大切な要素。その造形には日本らしさが現れています。

中戸川さん「自分で言うのもなんだけど手先が器用なほうで、木工も好きですね。機械も使うけど、最後は手がないとどうにもならん」

中戸川商店が扱う木材は、スギ、ヒノキ、トガ、モミ。トガ・モミは外材で、スギ・ヒノキは地場の紀州材を使用しています。木製品全般を加工できる技術力に定評があり、京うちわの柄の製造を任されているのは中戸川商店だけだと言います。


途絶えかけた伝統

中戸川さん「柄の製造に関わるようになったのは7〜8年ほど前のこと。柄の作り手がこの近所におったんですが亡くなってしまって、うちに話があったんです。うちは京都にお得意さんがおって、そこからの話でね。話だけでも聞いてくれんか、と言われて依頼を受けたのがはじまりです」

柄の作り手さんが亡くなってしまったため、作り方を誰にも教えてもらうことができなかった中戸川さん。納品先から預かった見本を見ながら、手探りで製造に取りかかります。


中戸川さん「加工するための機械は譲ってもらったけど、作り方を教えてもらえないから『これ、どないするん』ってところからはじまりましたよ。でもお客さんは待ってくれんでしょ。いろいろと試行錯誤しながらなんとか形にしました。木工職人としての経験がなかったらできてなかったですね」

柄の製造に慣れ、まとまった数が納品できるようになった中戸川さん。そういったなかで、新型コロナウイルスの流行が始まります。

中戸川さん「『さあこれから』という時にコロナ禍に突入して、インバウンドがなくなったから注文もなくなってね。コロナ禍が過ぎて観光客が戻ってくれば需要も戻ってくると思うけど、財力がないと続けるのは本当に厳しいですよ」

伝統工芸品を作り続ける理由

中戸川商店の創業は昭和45年。先代であるお父様から事業を引き継ぎました。現在のメインは京うちわの柄の製造ですが、取り扱う製品は時代とともに変化していったそうです。

中戸川さん「親父はもともと風呂職人。昔は木の風呂が主だったけど、ホーローの風呂がでてきて需要がなくなったからやめたんです。そのあと結納品の製造に移っていったんですが、それもだんだんなくなってきてしまっているでしょう。それで、今は京うちわの製造が主となってます」


木工を通して日本の伝統に触れ続け、それを守ってきた中戸川さん。しかし、続けることには相当な覚悟がいると言います。

中戸川さん「伝統は儲かるもんと違う。儲かるんやったら皆やりたいと思うでしょう。作り手がいないということは、需要がないということです」

「需要がない」と感じながらも伝統工芸品に関わり続ける中戸川さん。その理由は何なのでしょうか。

中戸川さん「やめてしまったほうが楽ですよ。でも、やめてしまったら途切れてしまうでしょ。1度なくなってしまったら、復活はないです。地域の祭りだって、人手がなくてやらなくなってしまったらそのままですよね。ファッションみたいに流行がもどってくることがありますが、途絶えてしまったら必要だと思っても戻ることすらできない。だから、だれかがやらなあかんと思います」

時間をかけて後世へ伝える

中戸川さん「日本は伝統がなくなっていきすぎる。日本らしさがなくなってしまったら、すたっていくばかりですよ」

現在58歳の中戸川さん。日本の伝統工芸を後世につなぐため、この事業を今のうちから時間をかけて引き継ぎたいと考えています。

中戸川さん「木工は1〜2年でできるようなものではないので、事業譲渡したあとも技術は教えていきます。また、伝統工芸は仕入れや値付けが特殊。商談についても素人がいっても話にならずに帰ってくるのがおちです。その辺も徐々に受け継いでいきたいです」

また、中戸川さんは法人への事業譲渡を希望しています。

中戸川さん「伝統工芸を守るには財力が大事です。私たちはコロナ禍で後退せざるをえなかった。未曾有のできごとがあっても持ちこたえられる財力が必要です」

伝統を守っていくことは相当な覚悟がいること。 木工が好きじゃないと続けられん」と中戸川さんは話します。


高い木工技術を引き継ぎ、覚悟を持って日本の伝統工芸に携わりたいという方は、1度話を聞いてみてはいかがでしょうか。


事業者情報

商号有限会社 中戸川商店
所在地和歌山県日高郡
代表

中戸川 惠勇(なかとがわ やすお)

創業1970年
業種製造(木製品、京うちわ)
募集形態事業譲渡
選考フローヒアリングシートの回答→カジュアル面談→現地面談



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