築130年の建物を未来へ残したい。全国からお客様が訪れるそばの名店「おぎのや」の後継者を募集!
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長野県の西部に位置する木曽郡。土地のおよそ9割を森林が占める、自然豊かな地域です。江戸時代に京と江戸を結んでいた「五街道」のうちの1つ「中山道」が通っているなど、古くから宿場町として栄えてきました。風情ある街並みを見にくる観光客や、木曽山脈を登りにくる登山客など、全国から多くの人が訪れます。
そんな木曽郡の北東部、木祖村にあるそばの名店が「おぎのや」です。
店舗として使っている建物は、店主を務める神村治男さんのご実家でもあります。曽祖父の代から商売をしていたという建物は、築130年の趣ある古民家。
この建物を未来につないでいくために、 思いを引き継いでくれる後継者を募集しています。
全国からお客様が訪れるそばの名店
JR東海、中央本線の藪原駅から歩いて15分ほどの場所にある「おぎのや」ですが、決して交通の便が良いわけではありません。電車の本数も多くなく、お客様のほとんどは車で訪れます。
春先や夏休みなど、繁忙期の週末に出るそばの量は1日だいたい60〜80枚ほど。車で来るお客様が多いせいか、冬になって雪が降るとお客様も少なくなり、1日1組ということも。
そんな山奥にあるにもかかわらず「おぎのや」には全国からお客様が訪れます。理由は、そばが美味しいから。木曽には多くのそば屋がありますが、他のそば屋がおすすめするほど地元でも評判のそば屋です。
神村さん「いつでも安定した味のそばを出せるように、国内4ヶ所からそばの実を取り寄せブレンドしています。製粉設備を持っているので、製粉も自分たちでやりますね」
そばにこだわりながらも、そば通の人ではなく女性や家族連れ、老夫婦をターゲットにお店を運営してきました。
店主のおすすめは「鴨せいろ」。美味しいお蕎麦と鴨の出汁を存分に味わえます。
もう1つの特徴は、築130年の趣ある建物。
内装は清潔に整えられていますが、梁や柱などからはこの土地に130年立ってきた歴史を感じられます。
神村さん「食べてくれたお客様に笑顔になってほしい。そのために、そばとつゆのバランスなどあらゆることを考え抜いて、自信を持って提供しています」
東京の大手広告代理店を退職し、Uターンして始めたそば屋
木祖村で生まれ育った神村さんですが、高校卒業後は東京の広告代理店に就職。会社を早期退職するタイミングで、 歴史ある実家の建物を何とかするために木祖村へ帰ってきました。
そば打ち名人として多くのメディアに出演する「高橋邦弘」さんに出会い、蕎麦の道へ進むことを決意。 1年半ほど高橋さんの元で修行してからおぎのやを開業しました。
今では全国からお客様が訪れる「おぎのや」ですが、開業した当初は6日間連続でお客様が誰も来なかったことも。さらに、開業当初のメニューは「ざるそば」だけ。来てくれたお客様も、あまりに珍しくて写真を撮っていたそうです。
神村さん「広告代理店の経験から、宣伝をしてだめだったときのリスクを理解していたので、宣伝もしませんでした。自信を持って出せる商品から、1品ずつ着実に出していこうと」
そうして少しずつメニューを増やしていき、今ではメニューが多くて迷ってしまうほど。開業当初から来てくださっているお客様は「メニュー増えたね」と言ってくださるんだとか。
ひとつずつ苦労を乗り越えてお店を運営してきた神村さんに、開業からの16年で印象に残っているお客様のエピソードを聞いてみました。
神村さん「いつも来てくれている常連さんが、子供を連れてきたときがあって。おかわりしようとした子どもに、家計に響くからって自分のそばを1枚あげたらしいんです。その話をレジで話してくれたのですが、周りのお客様にも話が筒抜けになっていて。周りのお客様は笑っていましたが、みんな幸せそうでした。子どもも「めっちゃうまいな!」と言ってくれていて、とてもありがたいなあと思いましたね」
志を持って建物を使ってもらいたい
広告代理店で海外へ出張に行ったとき、海外の建物や歴史を見て「俺の家はすごいものなんじゃないか」と思うようになった神村さん。
作りたくてももう作れない、そんな貴重な建物を無くさないためにそば屋を始めました。
だからこそ、最初から事業承継は考えていたそうです。
神村さん「建物を無くさないためにそば屋を始めたので、最初から事業承継は考えていました。多くの人に知ってもらう中で、この建物を未来に繋いでくれる人に出会えたら、その方に譲ろうと」
店舗、敷地内にある蔵など、店舗の敷地にある建物は全て譲り、中にある調理器具なども使って欲しいと考えています。
神村さん「自分はこんな料理が作りたいんだという思いがあれば、どんな料理でも構いません。そば屋をやりたい場合はレシピも教えられますが、私のこだわりが強いのでそれをまるまる継いでもらうのは少し難しいかなと。ただ、料理への思いがある方に継いでほしいなと思っています」
住む場所に関しては、店舗の上階に住めるスペースがあるので問題ありません。
後継者が決まるまではそば屋を続け、後継したあとのサポートもさせてもらいたいと話してくださいました。
神村さん「こんな田舎ですから、最初はなかなかお客様が来ません。なので「おぎのや」の看板を使って、今までの常連さんやお客様に自分の腕をアピールしてもらい、少しずつ後継の方に店を引き継いでいく形がいいかなと思っています」
事業承継希望の方が現れたら、どのような形で引き継ぐのがベストなのか、話し合って決めていきたいとのことです。
また、この地域の家同士の繋がりや、田舎ならではのことについても伺ってみました。
神村さん「近くの家同士で面倒を見合う制度だったり、地域の会合だったり、周りの人たちと繋がりを持つ場面がたくさんあります。ですがそこにきちんと向き合えれば、周囲の人も理解して接してくれる地域ですよ」
130年の歴史を未来へつなぐために
130年の歴史を守るために、東京から帰ってきた神村さんは、どのような方に後を継いで欲しいとお考えなのでしょうか。
神村さん「とにかく料理への思いがあって、建物を大切にしてくれる人に譲りたいと考えています。130年間守られてきたこの家を、次の世代へきちんと渡してくれる方。お金とかそういう部分ではなく、その人の志や思いを大切にしたいです」
さらに今、客足の少ない冬場に少しでもお金になることがあればと、併設の蔵を改装して民泊の準備をされています。
後継者の方が少しでも楽になればと始めたそうです。
神村さん「蔵の他にも、庭のスペースが余っていたり、離れがあったりと、やる気があればできることはたくさんあります。やりたいことがある、意欲的な方なら嬉しいですね」
全国からお客様が訪れるそばの名店「おぎのや」。
料理に対する思いと、建物を未来へ繋いでくれる後継者を募集しています。
注意・禁止事項
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Q&A
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