伝統的な郷土料理「菜豆腐」を次の世代へ。宮崎県椎葉村の「尾前豆腐店」が後継者を募集!
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こちらの案件は宮崎県がサポートする「事業承継・引継ぎ応援事業補助金」「後継者新事業展開支援モデル事業補助金」の対象案件です。適用には条件があり、審査が入る場合もございますのでまずはお問合せください。
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目次 :
夫婦二人で郷土料理を商品化
九州4県にまたがり、自然豊かな深い緑に囲まれる九州山地。その中でも中央部に位置する宮崎県椎葉村は、村として全国でも上位に入るほどの広い面積を誇ります。
そんな椎葉村の中心部から車で40分ほどの山あいにある「尾前豆腐店」は、椎葉村にしかない郷土料理「菜豆腐」を製造する老舗の豆腐屋さんです。
菜豆腐とは、豆腐の中に「平家かぶ」という野沢菜に似た地域の伝統野菜をはじめ、人参や旬の野菜を入れた料理です。椎葉村ではお祭りや冠婚葬祭の場で食べられてきた、暮らしに根付いた味だといいます。
尾前義弘さんとチエカさんは、この地で夫婦二人三脚、30年以上にわたって豆腐店の営業を続けています。
菜豆腐はお醤油やお味噌をつけて食べるほか、揚げ出し豆腐にしても美味しいと評判だそうです。義弘さんは、「この場所も上には家がないため、よそとは水が違うから豆腐が美味しくなるんだ」と話します。
そんな「尾前豆腐店」ですが、尾前さんご夫婦はこの度事業を引き継ぐ方を募集することになりました。
経営者の紹介
現在78歳の義弘さんは、40代の頃から奥様と二人で豆腐作りを始めたのだといいます。初めのうちは、普通の豆腐を作るだけでも苦労の連続だったそうです。
義弘さん「当時、親戚にあたる豆腐屋さんの機械が台風による被害で流されてしまい、営業を続けられなくなったんです。その後、『豆腐屋さんは地域に1件は必要だからやってもらえないか』と声をかけられ、それならば自分がやってみようかなと思い引き継ぐことにしました」
「にがりの選び方一つ取っても、試行錯誤の繰り返しでした。少しずつ研究を重ねていくうちに、『郷土料理である菜豆腐を作ってほしい』と頼まれるようになり、菜豆腐を初めて商品化したんですよ」
菜豆腐は当初、菜っ葉だけを入れていたそうですが、こちらも工夫を凝らして、徐々に季節の野菜を加えるようになったそうです。現在では菜豆腐を地域の産直に卸しているほか、普通のお豆腐も食品事業者へ加工用として卸したり、学校給食としても提供しています。
チエカさん「基本は菜っ葉と人参で、季節によって菜の花や藤の花、パプリカや柚子、赤大根などを入れて彩りを豊かにしています。菜豆腐の見た目や味に感動したと言って、わざわざ連絡をいただいたり直接お越しいただいたこともあります。やっぱりそんな時は嬉しいですよね」
後継者を募集する理由と後継者への想い
そんな尾前さんご夫婦が長年続けてきた「尾前豆腐店」の後継者募集に至ったのは、今後避けられない機械の更新による負担や後継者の不在など、様々な要因を踏まえてのことだったそうです。
義弘さん「自分たちが始めた時は大変でしたが、これまでやってきたことをお伝えすれば未経験の方でも半年から1年ほどで形になると思います」
一方で、尾前さんご自身も豆腐店以外に林業や椎茸栽培などを手掛けており、「今の製造量のままだと生活は大変なので、兼業や商品開発、またはネット販売なども考えていかないといけないだろう」とアドバイスをくださいました。
引き継ぎの条件と要件
お二人は、全力で頑張る方にはこれまで培ったノウハウをすべて伝えたいと話します。その他、事業承継の対象となるのは、加工場に加え、豆腐の製造に必要な機械一式です。
義弘さん「菜豆腐は椎葉を代表する特産品だと思っているので、なんとか残していきたいです。あと5年くらいは自分たちでできるかなと思いますが、その間に菜豆腐作りに取り組みたいと本気で考えてくれる方に引き注ぐことができればいいですね」
お二人は、地域で暮らし、地域に根付いて事業を引き継ぐ個人への譲渡を想定していますが、椎葉村に根ざした事業活動をされる場合は法人への承継も認めるご意向です。
義弘さん「住む家は別で用意してもらう必要があります。椎葉の別の場所に工場を立て直したいと考える方もいるかもしれませんが、自分としてはここで採れる水が重要だと思っているので、この場所で続けていただくのが理想です」
現在の仕入先や卸先についても、尾前さんが間に入り引き継ぐことを想定しています。
特産品である菜豆腐の製造は続けてもらいたいものの、事業を譲る以上は新たな商品開発や異なるジャンルへの挑戦なども地域のためになるなら自由に進めてほしいと話します。
あとを継ぐメリットと課題点
尾前豆腐店を引き継ぐにあたっては、先述の通り機械まで無償で譲り受けられる点が大きなメリットだと言えるでしょう。設置工事なども含めると1,000万円ほどかかっているそうですが、豆腐作りには必ず必要な機械です。
また、その他にもこの土地ならではの魅力があるとお二人は話します。
チエカさん「このあたりは人口も少ないからご近所の付き合いを大事にしていて、地域のために共同で助け合おうという考えが強いんです。村外から移住される場合でも、周りの人たちも皆受け入れてくれると思います」
一方で、今後尾前豆腐店を引き継いだ方にとって課題となりそうなポイントについても伺いました。
義弘さん「大豆の値段は上がっていくものの豆腐の値段は上げづらいため、段々と利益幅が薄くなってしまうことは今までも課題でした。後継者となる方は、例えば評判の良い揚げ出し豆腐なども商品化するなど、売上を伸ばすための工夫をしてみると良いかもしれません」
尾前さんの想いをきっかけとして、それまで家庭内だけで食べられていた菜豆腐という郷土料理を多くの方が口にできるようになりました。そんな尾前さんご夫婦から「尾前豆腐店」を引き継ぎ、椎葉村の活性化に繋がる特産品づくりに挑戦してみませんか?
宮崎県椎葉村ってこんなところ
広大な面積のうち、約96%を森林が占めているという宮崎県椎葉村。2023年現在の人口は約2,300人であり、まさに日本の原風景が広がる山あいの静かな村です。村には「平家落人伝説」が伝えられており、今もなお独自の伝統文化や京の名残が残る言葉が生きています。
現代では移住者や子育て世代、高齢者に向けた様々な生活支援が充実しており、光ファイバーが全世帯に整備されるなど先進的なインフラ整備も新たな魅力の一つとなっています。
事業者情報
商号・屋号 | 尾前豆腐店 |
本店所在地 | 宮崎県東臼杵郡椎葉村不土野235 |
設立年月 | 1992年 |
譲渡内容 | 作業場、機材一式を譲渡 |
譲渡理由 | 跡継ぎの不在 |
譲渡後の関わり | 豆腐作りのアドバイスが可能 |
メリット | 仕入先・卸先の紹介/機械の無償譲渡/豊かな湧水 |
課題点 | 将来的な機械の更新/大豆価格の高騰を商品価格に反映し辛い |
求める買い手像 | 地域に根ざし本気で取り組む方/椎葉のために特産品を守りたいと考える方 |
従業員数 | 2人(尾前さんご夫妻のみ) |
選考フロー | 担当者ヒアリング→カジュアル面談→現地面談 |
注意・禁止事項
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Q&A
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