【採用募集】時代のニーズに合わせて形を変え続ける「近江屋洋菓子店」をともに支える従業員を募集!
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東京・神田淡路町、オフィス街のど真ん中にある、ショートケーキやアップルパイが人気の洋菓子店「近江屋洋菓子店」。
2021年5月に改装工事のため休業した際には、営業最終日に2軒先のビルまでお客さんが並んだほど。リニューアル後もお店にはたくさんのお客さんが訪れています。SNSには「変わらずに美味しい」「昭和レトロな内装はそのままで嬉しい」「喫茶コーナーの再開が待ち遠しい」といった声がたくさんアップされるほど、多くのファンがつく人気店です。
この度、近江屋洋菓子店では、製造に携わる従業員を募集します(経験不問。後継者募集ではありません)。
「地域に根付いたお店はいいものだな」
同店を経営するのは、130年以上続くこの店の息子として生まれた吉田由史明(よしあき)さん。幼少期から家業を継ぐことを意識していたそうです。
吉田さん「ずっと父の背中を見ていて憧れていました。大学に進学しそろそろ就活となった20歳の時、『この業界で仕事させてほしい』と申し出ました。その時点では承継の約束はありません。『形にならなかったら継がせない』と言われましたので。大学卒業後、東京都岡山の洋菓子店で修行を積み、スペインに留学、帰国後に店に入ることになりました。
父自身、祖父の急逝で、26歳の若さで事業を継ぐことになった歴史があります。あまりに急だったので当時はつらかったと思います。その経験も踏まえて、自分は元気なうちに引き継いで状況を整えてくれたようです」
近江屋洋菓子店の周りには蕎麦屋さんや鰻屋さんなど、長年親族で経営しているお店がたくさんあり、周囲の人は吉田さんが店を継ぐだろうと思っていたようです。
吉田さん「父は『絶対に継げ』」とは一言も言わず、いつも『継ぎたくなければ継がなくていい』と言っていたので、それほど気になりませんでした。
今思えば、周りのみなさんの思いはあたたかく迎えてくれる気持ちの表れですし、そうした環境の影響も受けて、僕も『地域に根付いたお店はいいものだな』と思うようになっていきました」
ケーキが時代に合わなくなれば、違うものを販売するしかない
近江屋洋菓子店の創業は明治17(1884)年。当初は炭屋でした。しかし夏は炭が売れなかったことからパンを売るようになります。ほかにも当時流行っていたカリン糖やドラ焼きなどを並べ、原料の砂糖も販売。その後、明治28(1895)年、2代目・菊太郎さんがアメリカに渡ってケーキを学び、3代目、4代目、そして5代目の吉田さんへ受け継がれます。
吉田さん「炭屋からパン屋になったように、ケーキが時代に合わないということになれば、また違うものを販売する可能性はあります。時代の変化とともに人も変わる。その時代に合わせた商品をご提供していったほうがいい。それは父から教わってきたことです。
実際、僕らの商品もずっと昔から作り続けているというものは少ないんです。人気のあるショートケーキ、アップルパイ、フルーツポンチ、レーズンビスクィも先代がつくりました。
その前からあるのはソフトクリームくらいじゃないかな。洋菓子は常にキラキラしたものでありたい。新しいものにすぐに飛びつくというわけじゃありませんが、時流を見ながら商品を変えていくことに抵抗はありません」
ケーキをイヤイヤ買いに来る方はいない
変わっていくことを悲しむ客もいますが、そこに「納得してくださる方も多い」と語る吉田さん。変えることを恐れないのは、従業員の働きやすさを考えてのことでもあります。
吉田さん「昔のケーキのレシピは手作業が前提。作業にかなり時間がかかり、職人が帰れなくなってしまう。昔は休む間もなく働くことが美徳だったかもしれませんが、現代の働き方には合わない。もちろん手を抜くわけではありませんが、機械でできる部分は機械で行います。
僕らにとってお客様も大切ですが、従業員も大切。残していくべきものと変えるべきもの、優先順位を決めて選んでいかなければならないと考えています」
そんな中で、今回製造に携わっていただける従業員の募集を開始しました。吉田さんは、長く同店に携わることができる人材を求めています。
吉田さん「ケーキって、イヤイヤ買いに来る方はいないんです。つらい時でも、甘いものを食べれば少しは気持ちが晴れるかもしれない。楽しい時に食べるともっと楽しい。人の笑顔にいちばん近い仕事だと思っています。そんな体験を一緒にできる方と働きたいですね。せっかく一緒に働けるなら長く働ける方がいいと考えています」
高級フルーツをふんだんに使ったタルトや郵送できるケーキなどの商品を新たに開発したりと、「時代に合わせて商品を変えていく」という、初代の近江屋洋菓子店イズムが今も生きている同店。長く一緒に働ける従業員を求めています。
不自由の中の自由を見つけて成長させることが楽しい
長い歴史を受け継ぐことは「やりたいことが自由にできない」と考える人もいるかもしれません。しかし、吉田さんは「たとえ独立しても完全に自由ではありません。資金、設備、従業員・・・思うようにいかないことは絶対につきまとうまず」と考えます。
吉田さん「自由は不自由の中にあると思うんです。一見不自由に見えても、その中から自由を見つけて成長させていくことが僕は楽しい。今まで時代の流れや外部の環境など、お店を続けいていくにあたって“不自由なこと”はたくさんありました。だけど、その中にも必ず自由はありますし、不自由の中の自由にこそチャンスがあるのではないでしょうか。
僕が店に初めて入った日、喫茶に入られたお客様がメッセージを残してくださったんです。『昔、父によく連れられて来ました。今日は私の子どもと一緒に来ました。嬉しかったです』と。お客様に愛されていると実感しましたね。長い歴史も含めて譲っていただいたことに責任を感じつつも、幸運なことだと思っています」
実は今回、吉田さんの顔写真を公開しなかったのも近江屋イズムの表れ。
吉田さん「次の後継者がスムーズに承継できるよう、自分個人よりも店を前面に出していきたい」
歴代のエッセンスを代々受け継ぎ、変わらずに進化を続ける近江屋洋菓子店。その哲学が詰まった同店で一緒に長く働けるパートナーをお待ちしています。
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