北海道佐呂間町で地元の人たちに愛された自動車整備工場「佐呂間自動車工業」の後継者を募集！

北海道の東に位置する佐呂間町は、日本で三番目に大きな湖「サロマ湖」に面した自然が豊かな街です。サロマ湖で採れるホタテは日本有数の水揚げ量を誇り、「肉厚で甘みがあっておいしい」と評判です。

そんな佐呂間町で約40年にわたって自動車を整備してきた「佐呂間自動車工業」が、この度後継者を募集しています。

自動車がなくては生活できない地方の交通事情

佐呂間自動車工業は、市街地から少し離れた道道103号沿いにあります。社長の宇野弘俊さんは高校卒業後、実兄が経営する整備工場で働き、35歳の時に独立開業しました。かつては網走駅と中湧別駅を結ぶ「国鉄・湧網線」があり、佐呂間町内にも駅がありましたが、赤字のため、1987年3月20日に廃止されています。町内を走るバスの便数も少なく「自動車がなくては生活できない」と言っても過言ではありません。

「佐呂間自動車工業」の主なお客さんは、町内の方々です。役場などの公的機関はもちろん、一般のお客さんも利用しており、ほとんどがお馴染みさんです。

宇野さん「昔から付き合いのあるお客さんに支えられています。営業活動をして新規のお客さんを獲得するのではなく、贔屓にしてくれるお客さんを大切にするのが私の考えです」

かつて佐呂間町は冬になると、マイナス30近くまで気温が下がったそうです。そんな日は「エンジンがかからないので何とかしてほしい」という連絡が寄せられました。

宇野さん「今は気温が温暖化の影響からか、マイナス20度くらいまでしか下がらなくなりました。また自動車やバッテリーの性能も向上したので、昔のように助けを求められることもなくなりました」

「お客さんが満足できる整備」がモットー

「整備工場でもっとも大切なことは、故障しないようにメンテナンスすること」と、宇野さんは考えています。車検のために整備した車は、次の車検までトラブルがないようにする。それが自らに課したルールであり、誇りだと言います。

宇野さん「整備費用が高いというお客さんもいますが、『2年間一度も壊れていないでしょう』と言うと納得してくれます。あまりお金をかけたくないというお客さんには、整備内容を伝えたうえで了承いただいています。一応修理代の目安はありますが、5,000円かかる修理を3,000円で引き受けることもあります。技術料を自分で設定できるので、儲けだけでなく、お客さんに満足いただける金額かどうかが大事だと思っています」

お客さんの安全を第一に整備士を引退

長年整備士として生きてきた宇野さんですが、現在は工場長に一切の整備を任せています。その理由は高齢によるものだそうです。

宇野さん「68歳まで整備を行っていましたが、加齢による力の衰えを感じるようになりました。力いっぱい締めたつもりでもネジが緩んでいたことがあります。自動車整備はお客さんだけでなく、他のドライバーや歩行者も危険から守る重要な仕事です。大好きな仕事でしたが、衰えを自覚して手を引くことにしました」

成功するかどうかは後継者の腕にかかっている

宇野さんは、建物や土地を他の事業に転用するのではなく、整備工場として続けてほしいと希望しています。これまでの顧客リストは承継者に渡されますが、今後もお客さんと良い関係が続くかどうかは約束できません。

宇野さん「整備士は職人気質なところがありますが、お客さんとコミュニケーションが取れないようでは、経営者として成り立ちません。部品代は実費となりますが、技術料は自分で決めることができるので、他より少し安くするなど、選んでいただける工夫が必要です」

現在も整備工場は稼働しているので、約300～400万円分のオイルやパーツなども譲渡されます。宇野さんは札幌の息子さんと同居せず、佐呂間町で暮らすとのことなので、経営や整備に関するアドバイスを受けることも可能です。

森と湖のまち「佐呂間町」は、雄大な自然とおいしい食べ物が溢れています。

「生まれ変わっても整備士になりたい」という宇野さんが築き上げた「佐呂間自動車工業」を引き継いでみませんか。

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