目の前の海の景色でくつろいでもらえる自慢の旅館を残したい。福井県小浜市阿納地区で旅館を引き継ぐ後継者を募集！

福井県南西部にある小浜市は日本海に面し、古くから若狭湾や小浜湾で水揚げされた豊富な魚介類が都へ運ばれており、京都や奈良とのつながりが深い土地です。様々な食材を都へ送り届ける「御食国（みけつくに）」として食文化を支え、鯖をはじめとする魚介類を運んだ道は、「鯖街道」と呼ばれます。その起点のまちとして、文化庁から日本遺産「海と都をつなぐ若狭の往来遺産群〜御食国と鯖街道〜」として認定されています。

同市阿納（あの）地区はフグやタイなどの養殖や梅栽培などの半農半漁に加え、民宿を営む漁師の方が多く集まっている漁村集落です。漁家民宿の出資で設立された体験施設「ブルーパーク阿納」を中心とした体験メニューの開発や教育旅行商品の造成など、地域ぐるみで集落を活性化する取り組みは、2018年に「平成30年度ふるさとづくり大賞優秀賞」を受賞しています。

このたび、同地区内にある民宿「水月（すいげつ）」は、施設や屋号を受け継いでくれる後継者を募集しています。

目の前に広がる海の景色や海鮮料理を楽しめる民宿

民宿「水月」は、オーナーの森脇節夫（もりわき せつお）さんの祖父が土地を購入し、1975年7月に父親が宿泊施設を建て、開業しました。当初から働いている節夫さんは半世紀近くを民宿とともに過ごしてきました。漁家民宿が立ち並ぶ中を通り抜けた路地に面して建つ全11室の静かな海辺の宿で、海の幸や山の幸などの美味しい食事を楽しんでもらえる宿泊施設となっています。

森脇さん「お客様は宿から眺められる海の景色や海鮮料理、阿納の穏やかな空気感を楽しみに来てくれる方が多いです。家族づれや職場の仲間など、多くのリピーターさんに支えられてきました」

父親から継いだ民宿を残したい

年々お客さんは減少傾向にあり、さらに、コロナ禍でゴールデンウィークや海水浴シーズンの繁忙期でも以前のような賑わいが感じられなくなっています。

全国で多くの宿泊業が廃業するような厳しい状況が続いている中、後継者がいない森脇さんも、民宿のホームページ上で独自に承継者の募集をしたり、めぼしい方とお話したこともありますが、承継には至りませんでした。

森脇さん「先が見えない時代ですが、父親から継いだ民宿を残していきたい。毎年来てくれるお客様はもちろん、これからもたくさんの方にここでの食事や海を眺めながら過ごすくつろぎの時間を楽しんでもらいたいですね」

豊富なメニューを提供しているのが宿の自慢

立地を活かした海の幸を満喫できる海鮮料理の数々や、若狭牛を使ったメニュー、旬にしか味わえない季節料理など、四季それぞれの豊富な料理を楽しんでもらえるのがこの宿の自慢です。

また、同地区先の湾内で養殖しているフグやタイ料理、ヒラメやアマダイなどの魚介類に加えて、ボタン鍋や鴨鍋なども楽しむことができます。特にアマダイは、若狭焼きと呼ばれるうろこがついたまま焼く方法や、昆布締めなど様々な調理法で楽しんでもらっています。

若い世代も多く、地域ぐるみの取り組みも積極的に進められている阿納地区

施設単独で宿泊客を呼ぶだけでは厳しい時代ですが、同地区では、教育旅行の受け入れに力を入れています。地域の特色を活かした漁村集落ならではの体験プログラムやメニューを協力して考案し、県外の小中学校の修学旅行等を積極的に招致して、地区内の宿泊施設で受け入れています。教育旅行で訪れた生徒が市内の高校の海洋学科へ進学したり、市内への定住希望につながるなど、地域資源を活かした取り組みで、Ｉターンや定住化の促進にも寄与しています。

森脇さん「周りには若い世代の民宿オーナーも多く、地域を盛り上げていく取り組みも、仲間たちと協力していろいろと挑戦できるんじゃないかと思います」

想いを継いでもらえる方に、信頼して任せたい

民宿を承継するにあたって、「水月」の名前はぜひ残してほしいという森脇さん。施設や機材などの設備もいずれ譲渡する形でもよいと考えていますが、当面はレシピを伝えたり、接客を手伝ったりと、共同で経営するような形でお互いの理解を深めていき、想いも含めて引き継いでいただくことを希望しています。

また、地区内に所有している畑を使ってもらい農業に取り組んだり、民宿の一部でカフェなどを営業しても良いのではないかとも考えています。

新たな挑戦にも前向きで真面目な後継者に期待

森脇さん「地域ぐるみでお客さんに来てもらう取り組みに積極的に参加したり、宿泊客以外の方に来てもらうための取り組みも、宿泊業との相乗効果があると思います。すぐに成果を出すのは難しい時代だからこそ、誠実で真面目な方に事業を受け継いでもらいたいですね。真面目、品行方正、飲酒・喫煙・ギャンブルをしない方を希望します」

目の前に広がる海や、海の幸・山の幸に恵まれていることが阿納地区の一番の魅力。そして、水月はこの魅力を満喫するのに絶好の立地。

「これからもより一層お客様にくつろいでもらえる施設であるために、今の規模感を守りながらの新たな挑戦が大切なのではないかと考えます」と、森脇さん。

新しい挑戦も応援してくれる民宿「水月」の想いを引き継いでみませんか？

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