頼れる農機具の町医者。岩手県陸前高田市の農機具屋「高田機械」が後継者を募集!
こちらの案件は、後継者募集中です。
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岩手県の東南端、太平洋に面したリアス式海岸を有する陸前高田市。漁業に力を入れており、養殖業や定置網漁などが有名です。海のイメージが強い陸前高田市ですが、実は農業や林業も盛ん。農業では米崎りんごやブランド米の「たかたのゆめ」、林業では気仙杉がよく知られています。
そんな陸前高田市に、高田機械という農機具屋さんがあります。代表の北俣富男さんは現在83歳。年齢的な理由から、後継者を探しています。
農機具の町医者。どのような修理も対応
JR陸前高田駅から車で約10分。りんご畑を横目に静かな山の中を進んでいくと、高田機械があります。敷地には草刈り機などの農機具が並んでおり、修理の順番を待っているかのよう。工場内では機械や部品類に囲まれながら北俣さんが作業をしています。北俣さんのお仕事は、主に草刈り機やチェーンソーなどといった農機具の修理。6〜8月はたくさんのお客さまが北俣さんに助けを求めにくるそうです。
北俣さん「草刈りシーズンは大忙しで、1日平均10人くらいはきますよ。その場で直せるものはすぐ直して、部品がないものはお預かりしてね。3~5台ならすぐ直せるかな」
北俣さんは、さまざまな型式の農機具修理に対応できる技術を持っており、農家だけでなく同業の事業者から依頼を受けることもあるそう。どのような故障でもなんとかしてくれる、まさに農機具の町医者のような存在です。
この地で 北俣さんが 農機具屋をはじめたのは平成元年のこと。その前までは農機具メーカーで修理や販売を行っていました。
北俣さん「25年くらい勤めて、そこで技術的なことを修行させてもらいました。ただ、転勤が多くてね。子どもがいたので定住したいなと思い、陸前高田で店を開こうと思ったんです」
陸前高田市は農林業が盛んなため、最盛期には300人ほどの顧客を抱えていたのだとか。担い手不足や震災の影響で少しずつ農家のお客さまは減っているそうですが、今でも150人くらいの顧客を抱えていると言います。
北俣さん「農機具を修理できる技術をもった人は今はなかなかいないね。だから今でもうちを頼ってくれるんだと思います。付き合いが長いお客さんも多くて、なかにはお茶だけ飲みに来る人もいますよ」
すべてを失った震災。71歳からの再スタート
30年以上にわたって陸前高田市で農機具屋を営んできた北俣さんですが、1度は廃業を考えたこともあったそう。きっかけは東日本大震災、北俣さんが71歳の時でした。
北俣さん「ここは3年ほど前に建てた工場でね。もともと自宅兼工場が別のところにあったのですが、すべて津波で流されてしまったんです」
陸前高田市は津波の被害が大きかった地域。津波に流されずに残った「奇跡の一本松」は震災復興のシンボルとして何度も報道されました。民家や田畑が広範囲にわたって流され、基幹産業である漁業や農業は大打撃。耕作面積は減少し、農業の継続が難しくなった人も多いようです。
北俣さん「知り合いも流されましたよ。ほかの農機具屋さんも流されてますしね。すべて失って、私もやめようと思いましたよ」
それでも農機具屋の仕事をやめなかった北俣さん。その理由はなぜなのでしょうか。
北俣さん「やめなかったというより、やめられなかったんですよね。自宅がなくなったんで避難所で暮らしていたんですが、お客さんが私のところに修理を依頼しに来るんですよ。断れないよね。お客さんは困ってくるわけだし、今までお世話になっておるから断るわけにいかんしね」
避難所でできる範囲の修理に対応していた北俣さん。するとどんどんお客さまが戻ってきたと言います。幸運なことに仕事用の車は流されなかったそうで、それを目印に常連さんが頼ってきたそうです。
北俣さん「避難所から仮設住宅に移って、そこでも修理を頼まれてね。でも仮設住宅では事業を行ってはいけないというルールがあったので、近くの原っぱでやっていました。その後、牛舎の土地を借りたりもしましたね。それからいろいろあって、3年前にここに移転してきたというところです」
現在の工場にある機械は、すべて震災後にそろえたもの。71歳からの再スタートは、お客さまとの強いつながりがあったからこそできたことなのかもしれません。
震災後にそろえた機材もすべて譲渡
できる範囲で仕事をしてきた北俣さんですが、年齢的にももう限界だと感じているそう。ついに、後継者を探すことを決意したのです。譲渡内容は工場の建物と機械や部品等一式。ちなみに土地は借りているものなのだそうです。部品はいまだに200〜300個在庫が残っているのだとか。機械や部品の初期費用を抑えられるのはメリットです。
北俣さん「できれば即戦力になる経験者が良いですね。もし後継者さんの希望があれば、最初のうちは教えながら一緒にやっても大丈夫ですよ」
ちなみに、北俣さんは農業機械整備技能士(1級)の資格を持っています。資格の有無は問われませんが、農業機械に関する安全知識やメンテナンス・修理の知識は必要です。
移住者も歓迎
北俣さん「工場の周りは民家が少ないので、修理の時にちょっと大きい音を出しても大丈夫。住居はどこか探さなければなりませんね」
工場周辺には住めませんが街中にはアパートがありますし、空き家バンクを利用すれば一軒家を探すことも可能です。また、陸前高田は岩手県のなかでも比較的雪が少ない地域。県内のほかの地域に比べたら、雪による負担が小さいかもしれません。
農機具屋として独立したいと考えている方は、1度話を聞いてみてはいかがでしょうか。
事業者情報
商号 | 高田機械 |
所在地 | 岩手県陸前高田市 |
代表 | 北俣 富男(きたまた とみお) |
創業 | 1989年 |
業種 | 機械修理 |
募集形態 | 事業譲渡 |
選考フロー | ヒアリングシート回答→書類選考→現地面談 |
注意・禁止事項
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