山を切り拓いて築いた、この場所を残したい。高知県大豊町で牧場を引き継ぐ後継者を募集！

吉野川と四国連峰の雄大な自然を満喫できる高知県大豊町（おおとよちょう）。JR豊永（とよなが）から山道を20分ほど登り、美しい羨望を誇る山「梶ヶ森」の中腹に見えてくる牧場が「合同会社ワタナベファーム」です。山あいの標高約750メートルで地域資源を活かし、牛の飼育、民宿やカフェの運営などを行っています。

父の代から、この地で酪農を営む渡辺規夫さん。ご高齢により経営を続けていくことが厳しくなったものの、牧場を残したいという想いから、牧場、餌をつくる畑（牧場と合わせて約5ヘクタール）、トマトハウス、チーズ工房を引き継ぐ後継者を募集しています。

遡ること40年前、父と山を切り拓いて作りあげた牧場

雄大な土地に広がる「ワタナベファーム」。現在は10頭の和牛を飼っている

生まれも育ちも大豊町の渡辺さん。もともとは実家が所有していたものの、放置していた標高750mの土地を切り拓き、牧場経営をスタートしました。約60年前から酪農、約35年前から和牛経営をはじめ、1987年に喫茶「レーベン」をスタート。2011年に民宿「レーベンハウス」をオープンし、2018年にチーズの製造販売を開始しました。

ワタナベファームは子牛を育てて売る「繁殖経営」をメインに行っています。現在は親牛を10頭、ジャージー牛を3頭育てていて、子牛も生まれたばかりだとか。

渡辺さん「40年以上ほったらかしにされていた山あいの土地を、木を切って石をのけて、大型の機械で整地もして、牧場を作り上げました。切り拓くまでは大変な苦労でしたね」

大変な思いをして作り上げた牧場を、今は家族と研修生で運営管理しています。

トマトの栽培からチーズの加工販売まで、幅広く農業を営む

ビニールハウスでは家畜の堆肥を使った無農薬トマトを栽培し、高知市を中心に販売しています。民宿は渡辺さんの娘さんが引き継ぐ予定です。喫茶は親戚の方が引き継ぎました。

民宿「レーベンハウス」。コロナ禍以前は毎年約300名の宿泊者が訪れた

牛の餌やトマトを育てているハウス。半分は外部の方に貸しています

渡辺さんは、その中でも特にチーズの加工販売に可能性を感じています。乳製品製造業許可と販路を引き継ぐことも可能です。

渡辺さん「乳製品の許可をとるのは難しく扱える業者も少ないので、資格を強みに事業を発展できるのではと考えています。設備を入れて簡単なチーズ工房も作りました。ヨーロッパでは、牛を飼ってミルクを絞りチーズをつくるのは特別ではないので、日本でも広がっていくと思います」

2〜3年かけて徐々に引き継ぎ。やり方次第で様々な展開が期待できます

様々な事業展開が期待できるワタナベファーム。2〜3年かけて徐々に引き継ぐことも可能です。

渡辺さん「やる気があるなら、牛や生き物が好きな方なら大丈夫です。実際にやってみると、イメージと現実のギャップがあると思いますが、2〜3年かけて教えながら牧場を引き継げればいいなと思っています」

何もない場所から作った牧場を残してほしい

最後に引継ぎを希望する方に、渡辺さんが期待することを伺ってみました。

渡辺さん「どんな形であれ、牧場を残してほしいです。歳をとってあと何年ここを続けられるかと考えた時に、山を切り拓いて作った牧場が山に還っていくのはもったいないと思いました。チーズの加工販売も可能性がある事業なので、ここを伸ばしてくれる方だと、より嬉しいですね。

今は体力の衰えもあり生産規模も小さいですが、やり方次第では、もっと売上をあげて事業を大きくすることもできます。もちろん楽しいことばかりではありませんし、経営にリスクはつきものですが、自分が努力した分返ってくるという側面はやりがいがあります。逆にそこまで事業を拡大せずに、自分が食べれるものと最低限の収入を作っていくスタイルも可能です。そこは引継ぎたい方の希望次第と思っています。何にせよ田舎が好きで体を動かすことが好きな方がよいですね。短期ではなく長期的に関わってくだださる方を希望します」

渡辺さんが築き上げきた牧場や事業。山をゼロから切り拓いて...と考えると、この状態から引き継ぐアドバンテージはすごく大きいです。自分のライフスタイルにあったやり方で渡辺さんの想いを引継ぎ、大豊町で牧場を経営しませんか？

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