「一粒のお米にさえも嘘はつかない」。五つ星お米マイスターの営む100年企業「ヤマコしらかわ」の4代目を募集！

明治時代から「ものづくりのまち」として栄えてきた北海道室蘭市。JR室蘭から車で5分、絵鞆半島（えともはんとう）の先端に「ヤマコしらかわ」はあります。

明治42年創業、112年の歴史を持つヤマコしらかわはお米の生産者と消費者をつなぐお米屋さんです。3代目の白川皓一（こういち）さんは、全国で500人しかいない五ツ星お米マイスター（※）の持ち主。「一粒のお米にさえも嘘はつかない」を信念に、こだわり抜いた品質のお米を食卓に届けています。

（※）お米に関する専門職経験がある人のみに与えられるお米の博士号

白川さんのお米への真摯な向き合い方と目利きの質の評価は高く、全国の有名デパートからもオファーが来ると言います。しかしご高齢により、これまで通り業務を続けることが難しくなることを見据えて、株式ごと譲渡する後継者を募集します。

自分の足で丁寧に田んぼを見て回る。まるでお米のソムリエ

白川さんが家業であるヤマコしらかわを継いだのは21歳。お米に関わって半世紀以上の白川さんには、並々ならぬお米へのこだわりがあると言います。

ヤマコしらかわ3代目の白川皓一さん

白川さん「ただ売るだけじゃなく、お米について正直に説明できるように、生産者のところまで毎年足を運び、品質をチェックするようにしています。その土地の環境、気候、田んぼの畦（あぜ）が整備されているか、お米を作っている農家さんはどんな人か...

これらの様々な要素が相絡まって、美味しいものができるので、自分の目で全部見て歩いています。座右の銘は『正直が本物』です。田んぼ見ると、どのぐらい本当か嘘かね、すぐわかっちゃいます」

全国に約500人しかいない、お米の専門資格「五ツ星お米マイスター」の認定証書

正直を信条にしている白川さん。お米についてなんでもきちんと伝えないと、気持ちがおさまらないそうです。

白川さん「美味しいお米だったとしても、天候等で去年よりも出来が悪い場合は『去年よりもちょっとダメです』と伝えるようにしています。それでも『白川さんが正直に言ってくれるから美味しさが倍以上だった』と言ってくれたお客さんも居て、正直を信条にしてよかったなと思う出来事でした」

デパートへの出店やネットショップの構築など、販路拡大の可能性もあり

現在は近所の昔からのお客さん、業務店への販売がメインのヤマコしらかわ。引き継ぎを希望する方には株式譲渡をする予定です（建物は賃貸）。全国規模の百貨店との取引もあり、今後事業拡大の可能性もあると言います。

白川さん「東京や大阪の有名デパートから『店に出さないか』という案内も来ます。本当はもっといろんなところに行きたいのですが、今は腰が悪くて限られた店舗にしか行けていません。もう1人若い人がいれば、営業活動やれるかななと。

あとやりたいのはネット販売ですね。パソコンの画面や操作になれなくて電話対応で今は運営していますが、後継者が来ればネットショップを構築する形でぜひ始めたい」

他にもお米を使ったオリジナルの焼酎や特別な精米方法で作り出した玄米など、お米を活かした商品開発にも取り組んでいる白川さん。白川さんの築いてきたお客さんや取引先との信頼を土台に、販路の拡大や新商品の開発にチャレンジもできそうです。

白川さん「新しい商品開発で、玄珠米というのを作ったんですよ。ぬかってすごい栄養価持ってるんですよね。ビタミンB1、B6、鉄分など栄養素が豊富で。普通の釜で白米と同じように炊くだけで美味しく食べれるってので、驚くほどお客様に喜ばれました。全国のデパートの方にもウケがよかったですよ」

正直の精神を理解できる人に引き継いでほしい

最後に白川さんに引き継ぐ人に希望することを伺いました。

白川さん「100年続いてきた暖簾の中身・精神を理解して、引き継いでくれる人がいいんですよね。100年続いたのは、実直勤勉・真面目の精神が大きな土台、基本になってたから。ここまで米にこだわっているのは全国でも珍しいと思います。その上で時代にあった自由な経営をしてほしいです。今は御用聞きの仕事がネットでできる時代ですから私たちの頃とは違いますし。

経営は任せるので、今私が持ってるものは遠慮なく活用して利用して欲しいです。米っていう世界の感覚を、次の人に伝授してあげたいですね。あとは正直な商売が生み出した土台をもとに、今の時代にあった商法をやってくれる人もいいなと思います」

お米の品質はもちろん、白川さんの正直さで成り立ってきたヤマコしらかわ。正直の精神を引き継ぎながら、100年続くお米屋さんをアップデートする後継者を探しています。