「アート×町おこし」で大好きな鳥取を盛り上げたい

幼稚園の頃から絵の教室に通っていたという熊城さん。教室の先生から「上手だね」と褒めてもらった経験が、これまでの熊城さんを形づくってきたそうです。大学時代はアート文化コースを履修され、今でもアートのお仕事をされています。

大学卒業後の一時期は体調を崩されていたそうですが、体調が戻ってきてからは「やっぱり自分の好きなことをやりたい」と思うようになり、絵の道一本で生きていくことに決めたといいます。積極的にやりたいことをやり、道を切り開くことができるのは、とある大学時代の経験があったからだと熊城さんは語ります。

「実は大学時代に交通事故に遭ったんです。幸いにもケガはなく今もこうして生きていますが、あの時死んでいたら今の人生はなかったわけです。そう考えたらもう何も怖いものはないし、未来よりも今を考えて行動できるようになりました」

自然豊かで何度も訪れたくなる鳥取県

そんな熊城さんは、鳥取県出身だった知人から鳥取の話を聞いたことで興味を持ち、何度も足を運ぶようになったと話します。

「鳥取は今まで4～5回は訪れています。鳥取で出会う地元の人たちはとても優しくて、初めて会った私にも親戚のように親しく話してくれるんです。美しい砂丘があって自然も多くて、直感的にここが好きだなって思うんですよ。気づいたら、次はいつ鳥取に来れるかなぁって飛行機のチケットを探してしまっています」

自然が多い鳥取県では色彩感覚も豊かになり、良い作品に繋がると感じているそうです。

地域に根付いた取り組みと若者が行動するきっかけづくり

熊城さんが事業承継を考えたきっかけは、リレイのホームページを見たことでした。

「地元茨城のバスのデザインを担当したり、生産者さんの似顔絵を描いてパンフレットに使用してもらったりと、地域に根付いた取り組みをするなかで、これまで以上に町おこしに興味を持ち始めています。リレイさんの記事を読み、事業を引き継ぎたいと語るどのかたも強い思いがあってとても素敵だなと思いました。事業を行う際利益を一番に考えてしまうと、結局全部同じようなものになってしまう気がするんです。思いや信念はぶらすことなく、消費者が飽きないように、形を常に変え続けるのが今の経済の在り方だと思うので、私もそこに貢献できたらなと考えています」

また、自分が新しい事業に取り組むことで、若い人達が何かにチャレンジするきっかけになれたらという気持ちがあるといいます。

「私が行動することによって誰かが、自分も何かやってみようかなと思ってくれたらいいですよね」

地元の人からも、観光客からも愛される鳥取県に

事業を引き継いだ後は、地元の人の交流の場のような場所を築いていきたいと考えているそうです。

「鳥取県は高齢者が増えていて、一人で暮らしている人も多いと聞きました。地元の交流の場をつくり、やっぱり地元っていいよねと思える場所を作りたいです。観光で訪れる人にとっても、地元の人が「ここはいい場所だよ」と言っている方が安心だし魅力的だと思います」

町に住む人たちが、自分の住む場所に愛が芽生えるような取り組みをしていきたいと熊城さんは意気込みます。

事業の歴史と譲渡者さんの思いをよりよい形で引き継ぎたい

機会があれば、どんな事業の話も聞いてみたいという熊城さん。

「業種のこだわりはありません。新しいものよりも、歴史的な背景や作り手の思いが感じられるものに惹かれます。学生時代の経験から、どんな場所でも生きていける自信がありますし、どんな業種であっても、自分のデザイン業とかけ合わせることができると思うので、もし私に興味を持ってくれる方がいればぜひお話してみたいです」

アートやデザインの才能と経験があり、町づくりや町おこしに強い思いをもつ熊城さんに事業承継の相談をしてみませんか？

（執筆：2024年3月）