地域に還元して、まちに魅力を生み出していきたい！鳥取県を盛り上げる後継者候補・野口一さんはこんな人

前々から持っていた地方移住という選択肢

生まれも育ちも神奈川県横浜市で、山も海もある金沢区に愛着を持って暮らしている野口さんですが、地方移住に前々から関心があったと話します。

野口さん「旅先でも自然あふれる郊外のまちに魅力を感じることが多く、ゆくゆくは自然が身近な場所へ移住したいと考えています。また私の両親が首都圏出身だったので、田舎と呼べる存在がないことを、子どもの頃は寂しく感じていました。孫には田舎を作ってあげたいという気持ちもあります」

鳥取県には20代の頃に旅行で訪れた野口さん。鳥取砂丘や日本海の美しさが印象に残っていると話します。

野口さん「旅行は一度ですが、心に残っています。考えてみれば高校時代を山形県の日本海側にあるまちで過ごし、知り合いも付近に多い。日本海側の地域には、自然とつながりを感じているのかもしれません」

移住からしばらくは神奈川県との二拠点生活も視野に入れているそうで、「車で移動できる範囲内」である点にも魅力を感じているそうです。

これまでの経験を生かす「事業承継」という選択肢

出典：金沢シーサイドFM

現在経営者の立場である野口さんは、これまで運送業や空調設備業の会社をそれぞれ10年以上勤め上げ、独立した経緯を持ちます。

野口さん「私は若い時に一度起業しているんです。その事業は一度畳んで、これまでさまざまな経験をしてきましたが、その蓄積が今役に立っています。たとえば空調設備なら、商業施設や病院のオペ室にクリーンルーム、製薬工場の空調設備の改修工事など、さまざまな実績があります。これまで携わってきた業界であれば、移住後すぐに事業を始められるでしょう。あと、ラジオの経験もぜひ生かしていきたいです」

一方新たな挑戦への意欲ものぞかせる野口さん。

野口さん「これまで多くの職種を経験してきた分、あらゆる仕事への適応力には自信があります。運送業、設備業のほか、漁業、飲食業も視野に入れていて、地域の伝統文化に携わることにも興味があります」

担い手がなく衰退していく文化産業が気がかりで、「今あるものを受け継ぎ残していきたい」という思いもあったために、今回の「事業承継」という選択肢が思い浮かんだそうです。

地域に還元し、まちの魅力をつくっていきたい

事業承継への展望をさまざまに話してくれた野口さんは、「利益はできる限り地域に還元していきたい」と話します。

野口さん「事業を受け継ぎ業績を伸ばせたら、従業員や地域に還元していきたいと思います。特にこれから社会をつくる若い世代には待遇をよくしていきたいです。そういう取り組みは、若者が地方に留まるきっかけにもなるのではないかと考えています。若い人に魅力を知ってもらい、地域が盛り上がってくれればいいですね」

今も野口さんはコミュニティラジオでの活動のほか、神奈川県横浜市の子ども食堂に寄付をするなど、地域づくりに熱心に取り組まれています。

野口さん「譲渡時に、もし今いる従業員の方も引き継げるのであれば歓迎したいと考えています。譲渡後は、譲り手の方の希望次第ですぐに事業から手を離してもらっても大丈夫ですが、折々では相談に乗ってもらえると助かります」

「あそこのまちはいいよ！」と言われる地域づくりを

引き継いだ事業にどのように向き合っていきたいかについて、野口さんはこう話します。

野口さん「まずは経営者が変わることで生まれる問題をクリアにしていきたいです。徐々に働いている人の待遇をよくすることで魅力的な雇用をつくり、『あそこのまちはいいよ』という評判が生まれれば、まちに人が集まってくると思います。そうなるまで何年かかるかは、まだ分かりませんが、地域に根ざして取り組んでいきたいです」

経営者目線での地域づくりを思い描く野口さん。事業承継をご検討されている方は、ぜひ一度野口さんとお話ししてみませんか。

（執筆：2024年3月）